
情報学研究科(独立研究科) Graduate School of Informatics
学びの 特長
本研究科では、情報学に関連する諸分野を集結させ、人工知能・データ分析を軸としたさまざまな学問領域との有機的融合により、情報および知識を自由に操ることで新たな「知」を創造し、グローバルな社会課題を解決できる人材の育成と、革新的な研究の発信をめざします。
あらゆるコミュニケーションの基礎となる情報を主体的に捉え、情報に関わる真理・原理を探求し、情報を扱う技術の確立をめざした学問体系を「基幹情報学」、自然科学のみならず人文・社会科学との学際的融合・展開に関する学問体系を「学際情報学」と定義し、「基幹情報学」と「学際情報学」からなる情報学を新たな「知の創造」の基礎として、情報学に関連した幅広い分野の教育と研究を行います。
基幹情報学専攻 入学定員
博士前期課程 | 博士後期課程 |
---|---|
65名 | 10名 |
学際情報学専攻 入学定員
博士前期課程 | 博士後期課程 |
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25名 | 5名 |
養成する人材像
「生物」「無生物」に関わらず、あらゆるものがインターネットに接続される超高度な情報社会において、人々が健康で豊かな生活を送るためには、未知の課題の根源を把握するに足る情報を生成、収集、伝送、保存する能力、それらの情報を多面的に解析し、そこから知識を獲得する能力、さらには、知識から決定された意志や行動を社会に働きかける仕組みや方法を立案する能力が不可欠です。本研究科では、そのような能力を養成する学問体系が情報学であるという理念のもと、基盤となる情報通信技術に関する深い知識を身に付け、それを応用・展開し新たな学術領域を開拓できる能力を持つ技術者、研究者および教育者等を養成します。博士後期課程においては、博士前期課程において身に付けた能力を備えた上で研究者をめざす人材を養成します。
- 基幹情報学専攻
-
人間の持つ認識や理解などの知的な能力をコンピュータ上で実現するための知識と技能を修得し、システム全体として最適解を求めることができる人材を養成します。
- 学際情報学専攻
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持続可能な社会を実現するための課題解決への取り組みを通して、新たな価値を創造するためのシステムデザイン能力、技術の進歩および社会の変容に対応できる人材を養成します。
TOPICS
本研究科の特色の一つとして、国際交流が盛んであることが挙げられます。これまでにも、フランスの大学院大学CY Tech(旧EISTI (国際情報処理科学大学院))やENSEA(国立高等応用電子学院)、ドイツのDFKI(ドイツ人工知能研究センター)などから毎年数名ずつ留学生を受け入れており、これらの機関への学生派遣も行ってきました。

ドイツ人工知能研究センター
情報学をはじめとするさまざまな分野の学士課程修了者が、それぞれの学びを礎として自分自身の能力をさらに発展・進化させることができるよう、多様なカリキュラムを提供します。さまざまな社会課題に機動力とスピード感を持って対処できる人材を養成するため、実践的な演習科目を提供します。IoTデバイスなどを用いたセンシング、機械学習・AI を駆使したデータ分析、それらを制御・連携させるプラットフォーム基盤など、実運用・実データを活用した実学指向の教育・研究を行います。
基幹情報学専攻
情報学を体系的に修得した上で応用力を高める
学際情報学専攻
情報を活用した分野横断型研究を通じ専門性を深める
主な講義・演習科目
(キーワードを中心に記載)
- 統計学・ビッグデータ解析
- データサイエンス・アルゴリズム
- 知的メディア処理・自然言語処理
- 機械学習・深層学習
- 認知心理学・社会情報学
- 情報センシング・無線通信
- プラットフォーム・ネットワーク
- 高性能計算基盤
- ヘルスケア情報学
- 情報セキュリティ
現実の課題解決を目標とした実践型教育・研究
(キーワードを中心に記載)
- 大阪が推進するスマートシティにおける実証およびスマートユニバーシティにおける社会実装
- 実データを用いた分析にもとづく課題解決の提示とアプリケーション開発
- 民間および行政プラットフォームと連携可能な都市OS・データ連携プラットフォームの設計と実装
- 生体情報センシングデバイスの開発、データ分析とヘルスケア・スポーツへの応用

専攻 | 研究テーマ | 教員名 |
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基幹情報学専攻 | 「データアナリティクスに基づく大規模ネットワーク運用管理自動化」 | 阿多 信吾 教授 |
「腸内細菌ネットワーク解析による大腸がん発現因子の解明」 | 宇野 裕之 教授 | |
「将来のIoT・分散エッジコンピューティングを含む知的かつ セキュアなネットワーキング技術」 |
戸出 英樹 教授 | |
「進化型多目的最適化による解釈可能性を考慮した多目的知識獲得」 | 能島 裕介 教授 | |
「高性能計算基盤のプログラミング技術に関する研究」 | 藤本 典幸 教授 | |
「深層学習と数理モデルを併用した空間情報取得に関する研究」 | 吉岡 理文 教授 | |
学際情報学専攻 | 「深層学習による次世代ワイヤレス通信技術の開発」 | 太田 正哉 教授 |
「マルチモーダルセンシングによるオンライン学習支援」 | 瀬田 和久 教授 | |
「サッカーロボットのための人工知能」 | 中島 智晴 教授 | |
「医療・看護サービス向上のための情報システムに関する研究」 | 真嶋 由貴恵 教授 | |
「機械学習による金属ものづくりのスマート化に関する研究」 | 上杉 徳照 准教授 | |
「ドローンの計測データから作成した高度な地理空間情報を用いた様々な社会課題に取り組む研究」 | 吉田 大介 准教授 |
基礎を大切に実社会に生きる力を磨く。
創造的なアイデアを生み出すためには、特定分野の知識にこだわらず学際的に物事を考えることが必須条件。幅広い知識を習得したうえで、研究活動を通して社会で即戦力となるための基礎力を身に付けてほしいと考えています。研究活動では調査、問題提起、解決策提案とその評価、論文化、研究成果発表というステップを踏みますが、これらは研究活動だけでなく、実社会でも重要な流れです。例えば、実際にビジネスで成功するためには市場調査を行い、問題を見つけ出し、そしてソリューションを提案して売り出さなければなりません。在学中にこのようなステップをふむ体験を積むことは、社会で活躍できる即戦力になるためのトレーニングだと思います。

近藤 大嗣 助教
研究活動を通して複合的な知を育む。
研究活動を通して、学生の皆さんに身に付けてほしい力が4つあります。1つ目は、専門分野の先端に到達するための自分なりの学習方法を見つけること。2つ目は、自分の専門分野の基礎的な事実や技術を正しく把握すること。3つ目は、自分の主張を守る術を身に付けること。否定的な意見があっても主張を安易に撤回せず、問題の状況や設定を多面的な視点で見直し、自分の主張と否定的な意見の矛盾を解消できるように粘り強く取り組む姿勢が大切です。4つ目は、異なる複数の専門分野を学び、その関係性や整合性を考えること。指導においても学生一人ひとりの考え方や思考の違いを尊重し、それぞれの成長を支えられるように意識しています。

楠木 祥文 講師
人工知能へのあくなき好奇心が研究の原動力
学部生時代に研究していた「人工知能はだまし絵をどう見るのか?」というテーマを更に深めたくて、大学院に進学して研究しています。新型コロナウイルスの影響で、対面でゼミをする機会は大幅に減ってしまいましたが、コミュニケーションツールやオンラインゼミで円滑に研究を進めることができています。学部生時代は、授業を通じてタイで研修をしたり、アメリカやカンボジアの学生を大阪に案内したり、さまざまな機会をいただきました。
大阪府立大学大学院 工学研究科 電気・情報系専攻 博士前期課程 2年
堀江 紗世 さん

野村総合研究所/ヤフー/NTTデータ/西日本電信電話(NTT西日本)/オプテージ/オムロン/キヤノン/リコー/パナソニック/日本電気(NEC)/NECソリューションイノベータ/三菱電機/村田製作所/日立製作所/京セラ/住友電気工業/ダイキン工業/トヨタ自動車/本田技研工業/マツダ/ダイハツ工業/デンソー/浜松ホトニクス/阪急阪神ホールディングス/日立造船/帝人/関西電力
2022年度から2026年度は所属研究室に応じて杉本キャンパス・中百舌鳥キャンパス、2027年度からは森之宮キャンパス・中百舌鳥キャンパスを予定