
都市経営研究科(独立研究科) Graduate School of Urban Management
学びの 特長
人類の過半が都市に住む「都市の時代」が到来している21世紀では、都市経営という概念、特に「産業や組織の革新(イノベーション)」と「持続可能性(サスティナビリティ)」というコンセプトを重視した都市経営が必要です。
本研究科では、まちづくりや公共政策・産業政策、地方自治体やNPOの行政運営・ガバナンス、中小企業・ベンチャーの事業革新やICT化、医療・福祉の経営革新といった都市経営の諸課題について、経済・経営・政策・法/行政・地域研究などの視点から学びます。
都市経営専攻 入学定員※
博士前期課程 | 博士後期課程 |
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56名 | 5名 |
※定員は予定
PICK UP
都心で学べる社会人大学院 (働きながら学べるよう、社会人に最適の設計)
- 場所
- 交通至便な梅田サテライトで開講 (地下鉄・JR各駅から徒歩数分圏内)
- 時間
- 平日夜2日と土曜※だけで修了可能 ※医療・福祉イノベーション経営を除く
- 課題解決型大学院
- 社会人が自分の課題を学術的体系的に解決することを支援する参加型科目や多様な講義を用意
養成する人材像
- 博士前期課程
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都市経営の基礎となる都市・地域の政策/地域経済分析やまちづくり、地方自治体の行政やNPOなどの公共に関わるガバナンス、都市を活性化する中小企業やベンチャーの事業革新やICT化、医療・福祉の経営革新等の都市経営の諸課題について、都市政策・地域経済、都市行政、都市ビジネス、医療・福祉イノベーション経営などの観点から、都市のイノベーションとサスティナビリティを見据えて解決できるように、創造的で高い倫理的識見を備えた指導的人材を養成します。
- 博士後期課程
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政策、行政、NPO、プランナー、ビジネス、医療・福祉などの市民公益活動の主要なセクターに属する人々が、新しい知見を開拓し、さらにそれを体系化・学術化・深化させるような、高度な企画立案能力と研究能力を涵養し、創造的な実務的研究者を養成します。
※領域は博士後期課程
都市政策・地域経済コース/領域
人口減少・高齢化や産業空洞化の時代に不可欠となる、高付加価値・コストパフォーマンスの高いまちづくりや公民連携、地域・産業・文化政策のための政策分析や地域再生手法を研究します。
[主な研究テーマ]「都市政策、都市の立地と産業」「都市計画、まちづくり」「公会計、自治体運営」 など
都市行政コース/領域
地方自治体やNPO、市民活動などの組織と運営、合意形成、市民参加、ガバメント(政府)からガバナンス(運営と統治)への考え方の転換、法や制度の設計、公共政策、社会政策などを研究します。
[主な研究テーマ]「地方行政、ガバナンス」「行政法制度、都市法政策」「都市社会政策、比較都市政策」 など
都市ビジネスコース/領域
新産業の振興・産業の高度化が求められる現代社会において、AIなどのICT技術の急速な発展に対応し、中小企業・ベンチャーの事業革新の視点から、都市型ビジネスの研究を行います。
[主な研究テーマ]「中小企業、ICTビジネス」「地域アントレプレナーシップ、産業クラスター」 など
医療・福祉イノベーション経営コース/領域
高齢化社会の到来で、ますます高まる地域の医療・福祉・非営利サービス需要。限られた財政下で、より効果的な経営や倫理を実践するための研究を行います。
[主な研究テーマ]「人権教育、地域福祉」「医療・福祉経営、経営コーチング」 など
博士前期課程
社会人が自身の課題を論文やリサーチペーパーにまとめることを支援する、参加型科目を多数用意し、ホップ・ステップ・ジャンプの3段階で構成。ワークショップ(1年間で30人近い講師の授業でヒントを得る)→課題演習(調査研究分析・論文作成手法・ゼミの手法を学ぶ)→研究指導(論文作成)で自己の研究を深められます。
まちづくり、都市再生、マーケティング、公民連携/PFI、公共経営、公会計、都市計画、アートプロジェクト、地方行政、都市法政策、行政組織、自治体法務、都市財政、都市社会政策、行政評価、イノベーションマネジメント、ベンチャー、中小企業、事業改革、ICT/AIビジネス、情報経済、医療・福祉イノベーション経営、地域福祉、医療・福祉経営倫理、知識創造組織などの講義系科目は、基礎→中核→関連科目の3段階の順番に深められ、新しい専門科目群を用意しています。
博士後期課程
特殊講義→演習→研究指導科目の3段階の順番に研究を深め、社会人が論文を作成することを支援します。
分野 | 研究テーマ | 教員名 |
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都市政策・地域経済コース | 「公会計、自治体運営」 | 遠藤 尚秀 教授 |
「都市政策、都市の立地と産業」 | 小長谷 一之 教授 | |
「都市計画、まちづくり」 | 佐藤 道彦 教授 | |
「公民連携、地域経営」 | 佐野 修久 教授 | |
「公共経営、行政組織」 | 永田 潤子 教授 | |
「文化政策、アートプロジェクト論」 | 吉田 隆之 准教授 | |
都市行政コース | 「地方行政、ガバナンス」 | 髙野 恵亮 教授 |
「行政法制度、都市法政策」 | 久末 弥生 教授 | |
「都市社会政策、比較都市政策」 | 五石 敬路 准教授 | |
「都市財政、政府債務」 | 水上 啓吾 准教授 | |
都市ビジネスコース | 「中小企業、ICTビジネス」 | 梅原 清宏 教授 |
「アントレプレナーシップ、産業クラスター」 | 金井 一賴 教授 | |
「地域事業戦略論、地域アントレプレナーシップ論」 | 金野 和弘 教授 | |
「情報経済、情報社会」 | 近 勝彦 教授 | |
「AI産業論、エネルギー産業論」 | 村上 憲郎 教授 | |
「イノベーション、アントレプレナーシップ」 | 小関 珠音 准教授 | |
医療・福祉イノベーション 経営コース |
「人権教育、市民意識」 | 阿久澤 麻理子 教授 |
「医療・福祉経営、経営コーチング」 | 岩崎 安伸 教授 | |
「マイノリティ、地域福祉社会」 | 新ヶ江 章友 教授 | |
「多文化社会における知識創造経営・組織」 | 川村 尚也 准教授 | |
「臨床哲学、生命倫理学」 | 服部 俊子 准教授 |
高い思考力で“解”を導き出す。
現在は、意思決定・マーケティングの考え方を公共政策分野に適応し、「社会課題の解決を考える公共経営(ソーシャルマーケティング)」とその実践のための「組織マネジメント」の2つの側面から行動公共政策の研究を行っています。研究とは、自分自身の問い(リサーチ・クエスチョン)からはじまり、先人たちが明らかにしていることを調べ、自分の問いを構造化し、結論を導き出すこと。この思考力は、現実社会の問題解決やゴールを実現するためにも大事な能力です。「それで何が明らかになるの?」「結果として何が判ったのか」という問いを、常に学生に投げかけています。
自分が学びたいから学ぶ、解きたい課題があるから学ぶということが、学びの楽しさだと思います。都市経営研究科であなたが解き明かしたい課題の答えを一緒に探していきましょう。

永田 潤子 教授
自らの興味関心を突き詰め、学びの神髄にふれる。
これまで議員立法や立法過程の研究が中心でしたが、海岸漂着物処理推進法が議員立法で成立、改正されたことから、現在は漂着ごみ問題、マイクロプラスティック問題の法制度的な側面についても関心を持ち、研究を進めています。研究指導において特に心掛けていることは、「院生の話をよく聞く」ことです。まずは院生がどのようなテーマに関心を持ち、どのような問題意識を持っているかを把握することが重要と考え、よき聞き役になれるよう気を付けています。
都市経営研究科は主に社会人を対象としており、さまざまな職業、年齢、経歴をもった方が在学しています。自らの研究活動に没頭するだけでなく、さまざまな人との交流など本研究科での学びを味わい尽くしていただきたいと思います。

髙野 恵亮 教授
異なる価値観に触れ、枠に捉われない考え方を得る
看護管理者養成課程で、医療福祉政策や組織経営の基本的な考え方を学ぶ機会はありましたが、より深く、実践的な課題解決のための学びを得たいと考え入学しました。
都市経営研究科では、医療福祉職以外の方と一緒に学ぶ機会があり、価値観の違いから新たな気づきを得て、自分の視野が広がっていると感じます。医療・福祉イノベーション経営コースでの学びを通して、既存の組織運営に捉われることなく、従来の看護サービスの提供の枠組みを超えて、病院組織や地域住民の抱える課題を解決できるような看護を展開したいと思います。
大阪市立大学大学院 都市経営研究科 医療・福祉イノベーション経営コース 博士前期課程2年
荒瀧 久美 さん
