研究内容

2025年8月1日

  • 原形質連絡

篩管連結による種間シンプラストの形成制御

篩管はいかにしてつながるのか

寄生植物が宿主植物に寄生する時に、吸器内部に新たにできた篩管ならびに道管を宿主植物のそれぞれの管系につなげることが知られています。このことは、宿主植物から篩管・道管のトレーサー分子が寄生植物に移行することから明らかにされています。

篩管道管

私達は、ネナシカズラCuscuta japonicaを用いた解析から、宿主に侵入している成熟した吸器の内部では道管領域と篩部および形成層領域が空間的に分かれていることを明らかにしました。しかし、このような維管束様組織が形成される時に、どこが篩管になりどこが道管になるかという決定はどのようになされているのでしょうか?

吸器内Organization

吸器発達を時間経過とともに観察していると、最初に篩管や道管に分化するのは、宿主のそれぞれの管系にコンタクトした探索糸細胞であることがわかります。どうやら探索糸細胞はコンタクトした相手を認識して複数種の細胞に適切に分化し分けているようです。この時、篩管への分化、あるいは道管への分化を促している分子シグナルは何なのでしょうか? それは宿主側からやってくるのでしょうか? これらの疑問を解決することで、寄生植物と宿主植物の間での篩部シンプラスト連結の形成機構を明らかにしたいと考えています。

選択的分化