水熱合成による新規セラミックス材料開発


水は1気圧の下では100Cで沸騰しますが、富士山の頂上では100Cよりも低い温度で沸騰するということはよく知られています。これは気圧を変化させると水の沸点が変わるためで、反対に、密閉容器(オートクレーブ)に水を入れて加熱すると、内部の圧力が1気圧以上となり、液体としての性質を保ったまま水を100C以上にすることができます。

物質の溶解度は温度により変化するため、大気圧下では水にほとんど溶けない物質の中には、高温高圧の水には溶解して水溶液にできるものもあります。このような、高温高圧の水をを利用した物質合成方法は水熱合成と呼ばれています。

当研究グループでは、オートクレーブを加熱炉の中に静置する通常の水熱合成法に加え、オートクレーブを回転させることで均一性を向上させる回転水熱合成法や、遊星回転を加えてメカノケミカル効果を利用する遊星回転水熱合成法、マイクロ波によって加熱するマイクロ波水熱合成法など、様々な手法を使い分けながら水熱合成を利用した新規セラミックス材料の開発に取り組んでいます。


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通常の水熱合成法・電気炉に静置したオートクレーブ

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回転水熱合成装置

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遊星回転水熱合成装置

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マイクロ波水熱合成装置