お知らせ

2026年2月24日

  • 成果報告

堀江 真行教授、岸本 麻衣助教らの研究成果が日本獣医学会の学術誌「The Journal of Veterinary Medical Science」に掲載されました

堀江 真行教授(本センター 新興・再興感染症部門 部門長)、岸本 麻衣助教(同部門 研究員)と北海道大学の共同研究グループが、ハトに感染する「ハトガンマコロナウイルス」のほぼ完全な遺伝子情報を初めて明らかにし、その研究成果が日本獣医学会の学術誌「The Journal of Veterinary Medical Science」の早期公開版に掲載されました。

多様なコロナウイルスが動物に存在します。ハトガンマコロナウイルスというウイルスは2005年に報告されましたが、これまでの報告では遺伝子のほんの一部(断片的な情報)しか検出できておらず、どのようなウイルスなのか、その全体像は未解明でした。

本研究では、世界中の研究者が利用できる公共のデータベース上の膨大な遺伝子データに注目した解析により、これらのデータの中からハトガンマコロナウイルス由来の配列情報を検出し、本ウイルスの「ほぼ完全なゲノム(全遺伝情報)」を復元することに成功しました。
このウイルスは国際的な分類基準に照らし合わせると、鳥類などに感染するグループにおける「新種のウイルス」である可能性が高いことが示されました。さらに、近縁ウイルスとの遺伝子情報の比較の結果、ハトガンマコロナウイルスの遺伝子の末端部分において、遺伝子の並び方に独自の特徴があることも発見しました。
本研究によって得られた知見は、コロナウイルスがどのように進化し、多様化してきたのかという謎を解き明かす重要な手がかりとなります。また、今回のように「すでに世界中で公開されているデータを有効活用して、未知のウイルスの全貌を明らかにする」という研究手法の重要性も改めて示されました。

なお、本研究は北海道大学ワクチン研究開発拠点の澤 洋文教授および同大学人獣共通感染症国際共同研究所の大場 靖子教授らのグループとの共同研究です。


■掲載誌情報

【掲載誌】 「The Journal of Veterinary Medical Science」
【論文名】 Detection and genetic characterization of pigeon gammacoronaviruses
【著者】 Hiroko KOBAYASHI, Mai KISHIMOTO, Sakiho IMAI, Yasuko ORBA, Hirofumi SAWA, Masayuki HORIE
【掲載URL】 https://doi.org/10.1292/jvms.25-0450