最新の研究成果

鉄道新駅開業が医療費削減に影響-メディカルビッグデータから推計-

2024年4月24日

  • 生活科学研究科
  • プレスリリース

ポイント

◇JR総持寺駅を事例に、鉄道新駅開業による医療費削減効果を分析。
◇JR総持寺駅の近隣エリアでは、2018年の開業後4年間における1人あたりの累積医療費支出が、99,257円ほど有意に減少していたことを推計。

概要

大阪公立大学大学院生活科学研究科 居住環境学分野の加登 遼講師と、日本システム技術株式会社 未来共創Labの市原 泰介室長、荒井 健太副主任は、JR総持寺駅(大阪府茨木市)を事例に、鉄道新駅開業による医療費削減効果を分析しました。その結果、JR総持寺駅の近隣エリアにおいて、新駅開業後の4年間における1人あたり累積医療費支出が、99,257円(95%信頼区間1は62,119円~136,194円)ほど、有意に減少していたことを推計しました。なお、本研究は、日本システム技術株式会社との連携協定の成果の一部です。

本研究成果は、2024年4月9日に国際学術誌「Journal of Transport & Health」のオンライン速報版に掲載されました。

イラスト

総合知を結集した都市シンクタンク機能を担う本学は、証拠に基づく政策立案(EBPM)の観点から、まちづくりに対する社会的インパクト評価手法の開発を進めています。

本研究は、少子高齢化に伴う人口減少を迎えた大阪において、医療費支出という観点から、まちづくりの社会的インパクトを評価することを可能にした、重要な成果です。

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加登 遼講師

 

掲載誌情報

【発表雑誌】Journal of Transport & Health
【論文名】Health expenditure impact of opening a new public transport station: A natural experiment of JR-Sojiji Station in Japan
【著者】Haruka Kato, Taisuke Ichihara, Kenta Arai
【掲載URL】https://doi.org/10.1016/j.jth.2024.101808

資金情報

本研究は、科研費:若手研究(21K14318)、大阪公立大学戦略的研究推進事業(若手研究OMU-SRPP2023_YR05)、旭硝子財団 研究助成(サステイナブルな未来への研究助成:建築・都市分野)提案研究、JST共創の場形成支援プログラム(JPMJPF2115)の支援を受けて実施しました。

用語解説

※1 95%信頼区間…同じ実験を多数回行った場合、その中の95%で真の母集団パラメータが含まれる範囲。

研究内容に関する問い合わせ先

大阪公立大学大学院生活科学研究科
講師 加登 遼(かとう はるか)
E-mail:haruka-kato[at]omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

報道に関する問い合わせ先

大阪公立大学 広報課
担当:竹内
TEL:06-6605-3411
E-mail:koho-list[at]ml.omu.ac.jp
※[at]を@に変更してください。

該当するSDGs

  • SDGs03
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