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2025年5月21日
- 学生
開設まであと半年! 謎多き森之宮キャンパス―その秘密に迫る!
大阪公立大学の待望の新キャンパスである森之宮キャンパスの開設を楽しみにしている人々もいる一方で、読者の中には「どうして
移転するの?」「どんな環境になるの?」といった疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか? そんないまだベールに包まれた
森之宮キャンパスの謎を解き明かすため、MORINOMIYA Journal 学生編集室は森之宮キャンパス移転準備室の方々にご協力いただき、様々なお話を伺ってきました!
※所属・役職などは取材当時
Q1 森之宮キャンパス移転準備室(以下、移転準備室)はどのような業務を行っているの?
移転準備室の職員:左から信田さん、西さん、志賀さん
MORINOMIYA Jornal 学生編集室(以下、学生編集室):
まず、移転準備室は普段どのようなお仕事をされているのでしょうか。
信田 裕昭係長(以下、信田さん):
移転に関すること全般になります。移転には先生や職員、食堂に入っている生協、引っ越し業者の皆さんなど、本当に多くの人や組織が関わっているので、それら関係する人たちの間に入っていろいろな調整をするのがメインの仕事になります。
皆さんが森之宮キャンパスで使う机や椅子、実験用の器具なども新しく用意しています。キャンパスから持っていくものがとても多いので、誰がどこで使用するものなのかなどの確認作業の支援をしています。
もう一つは、教育推進課や学生課の人たちと連携しながら、キャンパス運営にあたって決めなければならないこと、例えばキャンパスの営業時間や自転車通学の方法の検討などの、最終決定を行う会議の運営を行っています。
Q2 現在苦労していることは
学生編集室:
仕事は森之宮に関する全般とのことですが、今一番忙しい、苦労していることはありますか。
信田さん:
今まさに、先生方の引っ越しが目の前に迫ってきたので、棚の位置や持っていくもの、それがちゃんと部屋に収まるのか、そういうものの図面を先生方にお見せして確認してもらう、というやり取りをしています。それが一番忙しいです。
また、森之宮キャンパスは3月31日をもって完成、4月1日から大学が管理になるので、4月1日からどう管理しようかということを検討するのも大変です。
学生編集室:
ありがとうございます。森之宮キャンパスは建物としてはまもなく完成、管理をしっかりして開設に向けて準備という段階になっているんですね。
信田さん:
はい、そうです。
Q3 キャンパス新設、移転はどうして行われるのか、なぜ移転先が森之宮なのか
学生編集室:
森之宮キャンパスの現状を聞くことができましたので、少し遡って、そもそもキャンパスの新設や一部移転はどうして行われるのか、どうして森之宮という土地が選ばれたのかという点をお聞きしたいです。
信田さん:
移転する理由は、大阪市立大学と大阪府立大学の統合と関連しています。今は杉本・中百舌鳥でバラバラになっていますが、統合したからには一堂に会するキャンパスが必要なのではないか、という話があって森之宮キャンパスを新設することになりました。
なぜ森之宮かというと、もともと森之宮の辺りは大阪府や大阪市のまちづくりのプランの中で、「大阪城周辺エリア」と呼ばれていて、大阪らしいポテンシャルを持っている象徴的なエリアの一つとして挙げられていた場所になります。その後にもっと具体的な街づくりの検討が進み、大阪公立大学の新キャンパスを作るという話があがりました。そこで計画されたのが大学とともに成長する「イノベーション・フィールド・シティ」という大阪城東区の街づくりです。そのコンセプトに沿って街づくりが進むことになって、森之宮キャンパスは先導役になることが期待されています。
森之宮キャンパスには大阪の都市課題の解決や成長への貢献に必要な機能を設けるということになっています。貢献できる学部や研究科、また都市シンクタンク機能や技術インキュベーション機能を大阪公立大学は掲げていて、そのようなイノベーションを創出し、牽引する機能をキャンパスに持たせるということで森之宮に決まりました。
学生編集室:
大学としてというよりは、もっと大きい視点で移転の流れが生まれたということですね。
信田さん:
大阪府、大阪市の街づくりの流れの一つとして、森之宮キャンパスができているという感じです。
学生編集室:
森之宮キャンパスは街づくりを先導していくような役割を担うことが期待されているのですね。
Q4 誰が森之宮キャンパスを利用するのか、授業はどう行われるのか
学生編集室:
どういった人が森之宮を利用するのか、また、授業はどのように行われるのかについてお教えください。
信田さん:
森之宮キャンパスは全学部・学域の1年生が初年次教育を受けるキャンパスになります。特に文学部・文学研究科、医学部リハビリテーション学科・リハビリテーション学研究科、生活科学部食栄養学科・生活科学研究科食栄養学分野の学生に関しては、卒業・修了まで森之宮キャンパスをメインのキャンパスとして大学生活を送っていくことになります。
キャンパス内の教室では、授業は現在皆さんが受けている講義同様のものを、基本的には実施する ことになります。また、フューチャールームという、壁一面に画面を分割して大きな映像とか画像を投影できる部屋があったり、高性能な集音マイクや、光の明るさや色を自由に調整できる照明がついている部屋もあったりするので、様々な活用方法があるかと思います。
今までのキャンパスにはないものなので、我々大人が考える以上に、学生さんが画期的な使い方を思いつくのではないかと思っているところです。
Q5 キャンパスの施設や広さ、全体像は
学生編集室:
先ほど教室について少しお話しいただきましたが、より詳しいキャンパスの施設や広さ、全体像について、お聞かせください。
信田さん:
外形的なスペックでいうと、森之宮キャンパスの敷地が約19,300平方メートルで、建物の延べ床面積が約79,600平方メートルになります。13階建てで高さが59.8メートルです。警備をやってくださる業者さんいわく、延床面積がとても広いので、13階建てと言いながら実際は25階建てくらいの感覚とのことでした。面積としては相当広い建物になります。
建物内には教室も数多くありますし、実験室もあります。体育館がメインアリーナとサブアリーナに分かれていて、ライブラリー、先ほども説明したフューチャールーム、もちろん食堂もあります。4階にカフェ、コーヒーやパンを買えるところがあったり、学生ラウンジという学生の皆さんが空き時間を過ごしてもらえるようなスペースもあったりします。売店では、あらかじめ登録して中の商品を持ってそのまま店を出ると自動で会計する無人決済も導入予定になっています。
あとは12階にOMUスカイラウンジという学生や教職員が使えるラウンジがあって、大阪城を見ながら休憩や勉強ができます。
Q6 課外活動を行う場所は
学生編集室:
森之宮キャンパスでは、サークルや部活の課外活動は可能なのでしょうか。
信田さん:
先述の学生ラウンジのほか、多目的ブースという個室のブースが12部屋、音楽の演奏ができるサウンドスタジオも6部屋あります。そういうところを課外活動に使ってもらうことはできます。使用申請など、どう使うかは学生課で検討中です。
学生編集室:
課外活動が可能な場所はあるものの、部室のような場所はないということでしょうか。
信田さん:
その通りです。音楽系の団体はサウンドスタジオ、文化系の団体は個室のブース、体育系の団体は体育館が使えます。とはいえグラウンドはないので、森之宮キャンパスでの課外活動は体育設備を使わないところが主になってくるかと思います。
MORINOMIYA Jornalメンバーと移転準備室担当者の方々との会話中にこんなやりとりが…
学生編集室:
(移転準備室の業務の中で大変だったものについてのお話を聞いて)
確かに、一から新しいキャンパスができるというのは、他大学ではあまり聞いたことがないです。
統合したり新キャンパスができたり忙しい大学ですね(笑)
西 敦子係長(以下、西さん):
他大学でもあるにはあるのですが、自分が働いている大学でそういった経験をすることは滅多にないと思います。
ただ新しくキャンパスができることによって中百舌鳥キャンパスには、工学部が集約されたり大阪公立大学工業高等専門学校が移転されたりする予定です。
このような市大と府大が統合しきれていないところを、新キャンパス開設や移転などを通じて整理し、一つの大学として一体感を増していく。そうした整理によって、環境も整備されている途中で、その大きな契機となるのが森之宮キャンパス開設なのかなと思います。
学生編集室:
そうですね。学部も目まぐるしく動いていくし、新しいキャンパスもできるし、それに合わせてさまざまなことも新しくまた変わっていく、それをゼロから考えていくというのは大変なことだと感じました。
西さん:
生活科学部の食栄養学科も森之宮キャンパスに入りますが、現状先生たちは羽曳野と杉本の両方にいらっしゃいます。
これが森之宮に移転することによって、同じ場所で研究や教育ができるようになるなど、こうした恩恵を受ける学科もあります。
学生編集室:
新しくキャンパスができるというと、どうしても「分散」してしまうというイメージがつきそうですが、実際には一つの大学としてまとまっていき、「統合」されていくような動きもいっぱいあるということですね。
西さん:
そうですね。
おわりに
新キャンパス開設と聞くと離れ離れになったり、一つの大学としてのまとまりがなくなってしまうような印象を持つ方も多いかもしれません。しかし、実際には統合が進む学部も多く、むしろ大学として一体感を増している側面もあるのです!
「学部移転」「森之宮送り」といった表面的な言葉を追っているだけでは得ることのできない、「大阪公立大学統合の先導役」という森之宮キャンパスの新たな側面を発見することができました!
今回の取材を通して、森之宮キャンパスが地域や大阪市のまちづくりと連携した、先進的で画期的な学びの場であることが明らかになりました! そして移転準備室の方々は、学生が森之宮キャンパスでも快適にキャンパスライフを送ることができるように細部にわたって調整・準備をしてくださっていることもわかりました。こんなに素敵で新しいキャンパスの歴史をこれから共につくり上げていくことができるという期待で胸がいっぱいです!
実際の取材では、他にも興味深いお話をたくさん伺うことができましたが、残念ながら本記事にはすべてを載せきれませんでした…。
もしかすると、続編としてご紹介する機会があるかもしれません。どうぞお楽しみに!
期待が高まる一方、新キャンパス開設というのは多くの学生や教職員の方々にとっても初めての経験。そんな中で森之宮キャンパスを魅力的なものにするためにはどうすれば良いのでしょうか?
移転準備室の志賀 研吾課長代理からこんなお話を聞くことができました。
志賀課長代理:
新キャンパスが設立されたら、私たち教職員も学生の方も地域に迷惑をかけないように、それは森之宮だけでなく杉本も中百舌鳥も全く同じなんですが、私たち教職員も在学生もしっかり襟を正していくことによって、さらに地域に愛される大学になるんじゃないかなと思います。
地域に愛される大学となるためには、教職員だけでなく、私たち在学生一人ひとりの自主性と規律ある行動が欠かせません。そしてその実現のためには、学生自身が充実したキャンパスライフを送ることが何よりの第一歩になるのではないかと、私たちは感じました。
今後MORINOMIYA Jornalでは、森之宮キャンパスライフをより豊かにするお手伝いができるような記事を発信できるように努めていきます!