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※医学研究科専任の兼担教員の研究指導等は阿倍野キャンパスで実施。
※工学研究科専任の兼担教員の研究指導等は2028年3月まで杉本キャンパスで実施。
  • 機能生化学研究室
    [研究領域]  基礎創薬
    生化学 分子細胞生物学
    がんの悪性化に関わる
    分子メカニズムの解明
    加藤 裕教 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    がんの悪性化は、非常に複雑で多くの過程を介して進行することが知られています。当研究室では、悪性度の高いがん細胞において特に活性化されている細胞内代謝経路やシグナル伝達経路に着目し、がん細胞の生存や浸潤に関わる新たな分子メカニズムを解明することを目指しています。さらには、新たに発見した分子メカニズムを基盤としたがんの発症や進行に対する創薬への可能性を探っていきたいと考えています。

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  • 計算分子生物学研究室
    [研究領域] 基礎創薬
    計算化学 バイオインフォマティクス 生物物理学
    構造モデリングと
    分子シミュレーションによる
    生体分子の機能解析
    森次 圭 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    酸やタンパク質などの生体分子が、細胞内でどのような立体構造をとり、どのように動いて機能しているのかを計算により明らかにします。実験データを参照しながら、構造データベースやAI・機械学習などの手法も活用し、分子や複合体の立体構造を予測します。さらに、分子動力学シミュレーションにより原子レベルでの動きを再現することで、細胞内の環境における分子のダイナミクスを詳しく理解することを目指します。

    シミュレーション手法の開発と
    インシリコ創薬への応用
    森次 圭 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    スーパーコンピュータといった大規模な計算資源の活用により、タンパク質の機能に関わるような大きな構造変化を効率的に捉える新たなシミュレーション手法を開発します。また、構造揺らぎや自由エネルギー計算を考慮した分子スクリーニング法をAIと組み合わせて高度化することで、結合様式の予測精度を高め、より効果的な薬剤設計(インシリコ創薬)への応用を図ります。

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  • ゲノム安全科学研究室
    [研究領域]  基礎創薬
    毒性学 環境薬学
    遺伝毒性メカニズムの解明
    川西 優喜 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    人工化学物質や天然物の遺伝毒性発現メカニズムを、齧歯類やヒトの培養細胞、大腸菌などを用いて研究しています。化学発がんの最初のステップともいえる、外因性・内因性の変異原よるDNA損傷の生成機構や、DNA損傷が突然変異を誘発するメカニズムの分子レベルでの解明に取り組んでいます。

    微量生体影響物質の研究
    川西 優喜 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    環境汚染物質や、生体内で生じる微量代謝物とアミノ酸や脂質など生体分子が反応して生じる新規の生理活性物質を、代謝系改変マウスや核内受容体遺伝子発現レポーター酵母を用いて調べています。生体機能を撹乱する化合物の探索や毒性発現メカニズムの解明、病因との関連、創薬への応用も視野に入れて研究しています。

    放射線の生物影響メカニズムの
    解明
    白石 一乗 助教  [ 理学部 生物化学科 ]

    電離放射線が引き起こすDNA2本鎖切断とゲノム損傷の分子メカニズムを、遺伝子改変マウスと細胞生物学的アプローチを組み合わせて解明する研究に取り組んでいます。放射線の生物影響を包括的に理解することで、放射線リスク推定および、放射線治療、核医学における安全で効果的な放射線利用の実現に貢献します。

    環境分子毒性学研究室サイトへ
  • 細胞生物学研究室
    [研究領域]  基礎創薬
    分子細胞生物学 生化学 実験動物学 分子病態学
    動物細胞のシグナル伝達と
    その異常による疾病の
    メカニズムに関する研究
    佐藤 孝哉 教授  [ 理学部 生物化学科 ] /
    /
    竹中 延之 准教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    肥満や糖尿病に関連した細胞内シグナル伝達系において機能する分子スイッチである低分子量GTPアーゼの研究を進めている。
    とくに、Rac1と呼ばれるGTPアーゼが、骨格筋と脂肪細胞でのインスリン応答や白色脂肪細胞の肥大化を制御していることを見出し、その調節機構の解明を目指している。また、脂肪細胞特異的なRac1の欠損が、骨格筋や肝臓などの臓器に及ぼす影響も解析している。

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  • 生体高分子化学研究室
    [研究領域] 基礎創薬
    タンパク質化学 ケミカルバイオロジー 抗体化学
    タンパク質機能の
    分子設計に関する研究
    円谷 健 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    タンパク質機能の分子設計に関する研究において、シガトキシンを含む活性高分子の生体反応機序の解明と制御に向けたケミカルバイオロジー研究を進めています。特に、我々が世界で初めて獲得に成功したシガトキシンを特異的に認識するモノクローナル抗体を用いた、シガテラ食中毒の予防および治療法の開発を行っています。さらに、電位依存性ナトリウムチャネルへのシガトキシンの作用機構の解明を行っています。

    生体材料に対する幹細胞の応答と
    分化・増殖制御に関する研究
    森 英樹 准教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    コラーゲンやケラチンといった生体高分子材料から作製したハイドロゲルやフィルム上で、幹細胞の増殖・分化・移動といった細胞特性の変化を解析しています。特に、中枢神経系や間葉系の幹細胞による組織形成に適した足場環境を実現するため、生体材料の生化学的および物理的条件を検討し、培養環境下で生体組織や器官に類似した構造を構築する技術の開発に取り組んでいます。

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  • 分子生物学研究室
    [研究領域] 基礎創薬
    ケミカルバイオロジー レドックスバイオロジー 分子生物学 生化学 食品化学 機器分析 薬品分析化学
    レドックスメタボライトを
    標的とした冬眠生理と
    酸化ストレス疾患の統合的理解
    居原 秀 教授  [ 理学部 生物化学科 ] /
    /
    笠松 真吾 准教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    超硫黄分子や2-オキソイミダゾールジペプチドなどのレドックスメタボライトに着目し、酸化ストレス応答における生理機能とその異常が関わる疾患(アルツハイマー病や糖尿病、肥満など)の発症機構を解析しています。また、冬眠性哺乳類が示す極限環境耐性の鍵として、これら代謝物の代謝調節と細胞内レドックス恒常性の関係を明らかにし、次世代のレドックス制御戦略や低温保存技術への応用展開を目指します。

    レドックス創薬シーズの探索
    居原 秀 教授  [ 理学部 生物化学科 ] /
    /
    笠松 真吾 准教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    食品に含まれる微量活性分子が、細胞のレドックスバランス維持に果たす役割に着目し、その健康促進作用を評価しています。特に超硫黄分子やイミダゾールジペプチドなどをモデル化合物とし、細胞ストレス応答や疾患予防効果との相関を明らかにすることで、疾患予防や治療に資する創薬シーズとしての可能性を検討しています。食品科学とレドックス生物学を融合した次世代型の機能性評価を推進しています。

    レドックスシグナル制御による
    細胞運命決定機構の解明
    笠松 真吾 准教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    細胞の生存・分化・死といった運命決定には、レドックスシグナルとエネルギー代謝の精緻な制御が不可欠です。本研究では、超硫黄分子や活性酸素種、活性窒素種などによる生体分子の化学修飾やレドックス応答の制御に注目し、ミトコンドリア機能や細胞代謝経路とのクロストークを解析します。これにより、酸化ストレス環境下における細胞運命決定の分子基盤を明らかにし、病態制御や創薬への応用可能性を探っています。

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  • 核酸創薬科学研究室
    [研究領域]  応用創薬
    ドラッグデリバリーシステム 核酸医薬 ナノテクノロジー ナノ医療 高分子化学 生物物理学 バイオ医薬品 人工細胞 材料生理学 分子細胞生物学 生化学
    核酸医薬活用のための
    革新的剤型や核酸を細胞内で
    制御する新手法開発の研究

    当研究室では、生命現象の中心をなす分子である「核酸」に注目して新しい分子テクノロジーを開発し、革新的な創薬技術の創成を目指しています。具体的には、核酸医薬品をより効果的に作用させるためのドラッグデリバリーシステム、核酸のみならずタンパク質も活用するための新規製剤、遺伝情報を超え細胞内で活躍する核酸を制御する新規ツール、人工細胞型デバイスの開発による新規治療モダリティの創成などに取り組んでいます。

    カロテノイド生合成の調節機構
    竹田 恵美 准教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    カロテノイドは、植物や藻類が有する黄色〜赤色の鮮やかな色彩を呈する色素です。これらはその強力な抗酸化作用によって、光合成の過程で発生する有害な活性酸素から自身を保護しています。ヒトはカロテノイドを合成できませんが、紫外線やブルーライトからの視覚機能の保護や認知症の予防に重要であると考えられています。植物におけるカロテノイドの高蓄積を目指し、生合成の調節メカニズムの解明に取り組んでいます。

    ダミー
  • 細菌学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    細菌学 生化学 分子細胞生物学 薬物動態学 ゲノム科学 ゲノム創薬 バイオインフォマティクス 計算化学 ケミカルバイオロジー タンパク質工学 構造生物薬学 分子イメージング システムバイオロジー
    感染症全般に加えて、
    薬剤耐性菌に関する研究
    金子 幸弘 教授  [ 医学部 医学科 ] /
    /
    坪内 泰志 准教授  [ 医学部 医学科 ]

    アシネトバクター属細菌や緑膿菌などの薬剤耐性菌をはじめとする、治り難い細菌による感染症をいかに克服できるかをテーマとして掲げています。その一環として、我々は天然海洋資源(堆積物や海綿)から新規放線菌を分離し、それらが生産する生物活性物質の探索、および作用機序の解明を行っています。放線菌は多様な二次代謝産物を作る特徴があることから、抗菌作用の他に抗ウイルス作用、抗がん作用なども研究対象としています。

    創薬科学研究科博士前期課程の授業科目「医科学特論」で
    協力いただく医学研究科の教員を紹介します。
    新谷 歩 教授  ( 研究分野:医療統計学 )

    医療統計学は、統計学・データサイエンスを医療に応用し、病気の診断・予測・治療効果の検証を行っています。DPCデータを含むビッグデータから新たな発見を生み出し、社会に還元しています。臨床研究の計画から解析、教育活動や相談会で医療従事者を支援、新たな解析手法や研究デザインの開発にも取り組み、よりよい臨床研究の未来を築いています。

    医療統計学のサイトへ
    医療統計学のサイトへ
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  • 生体高分子創薬科学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    生化学 生物物理学 タンパク質科学 分子細胞生物学 薬物送達・分子標的治療学 ゲノム創薬
    生体内輸送タンパク質を利用した
    ドラッグデリバリーシステムの開発
    乾 隆 教授  [ 農学部 生命機能化学科 ]

    新規に開発される薬剤候補化合物の多くは難水溶性化合物であり、最終的に除外されてしまう。 当研究室では、脂溶性低分子輸送タンパク質であるリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素 (L-PGDS) を利用して難水溶性薬剤を可溶化し、がんなどの病巣への標的指向性を有するドラッグデリバリーシステム (DDS) を開発している。本DDSにより、新薬開発の困難を払拭すると共に、これまでに開発段階で除外された難水溶性薬剤に再び脚光を当てることができる。

    トリパノソーマ症に対する
    新規治療薬の開発
    乾 隆 教授  [ 農学部 生命機能化学科 ]

    トリパノソーマ症は、原虫トリパノソーマ属によって引き起こされる人獣共通感染症である。その代表例であるアフリカ睡眠病やシャーガス病に対しては、現状いくつかの治療薬が用いられているが、強い副作用を示すなど満足できる性能には達していない。当研究室では、トリパノソーマ原虫の生育に重要な酵素(プリン核酸サルベージ経路で働く酵素)に着目し、酵素化学的・構造生物学的な知見から、副作用の少ない治療薬の開発を目指し研究を行っている。

    ゲノム創薬に基づく
    バイオマーカーや創薬標的分子の
    探索、およびその応用へ向けた解析
    乾 隆 教授  [ 農学部 生命機能化学科 ] /
    /
    石橋 宰 准教授  [ 農学部 生命機能化学科 ]

    ゲノム創薬、特に最先端トランスクリプトーム解析を駆使して、癌や免疫異常(アレルギーを含む)等の疾患に対するバイオマーカーや創薬標的分子の探索を行うとともに、その応用へ向けた性能・機能解析を行っている。例えば、甲状腺癌特異的バイオマーカー分子の同定と癌における機能の評価や、環境アレルギー(イヌ、ネコ、チャタテムシ等)の原因アレルゲンタンパク質の同定とエピトープ解析、およびそのアレルギー免疫療法への応用等である。

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  • 創薬構造生物学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    構造生物薬学 分子標的治療学 生物物理学 生化学 タンパク質・ペプチド化学 ケミカルバイオロジー
    キナーゼの構造生物学を
    基盤とした創薬研究
    木下 誉富 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    ヒトに備わるキナーゼは生命の恒常性を保つために無くてはならないタンパク質です。そのうち、ひとつでも異常が起きると病気になります。創薬構造生物学研究室では正常状態あるいは異常状態のキナーゼの立体構造をX線結晶構造解析などで調べ、その働きを原子レベルで明らかにしています。このことが医薬品の開発につながり、様々な病苦から人々を解放すると考えています。

    フォールディング病治療薬開発に
    関わる基盤研究
    恩田 真紀 准教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    蛋白質のフォールディング(立体構造形成過程)を解析することで、アルツハイマー病に代表される蛋白質の異常凝集が引き起こす疾患(フォールディング病)の治療薬開発を目指す。特に、セルピンスーパーファミリーのフォールディング中間体を標的とする創薬に関わる研究。

    [キーワード]
    セルピン、認知症、X線結晶構造解析、ケミカルシャペロン
  • 創薬抗体工学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    細胞工学 抗体工学 疾患生物学
    創薬抗体工学に関する研究
    立花 太郎 教授  [ 工学部 化学バイオ工学科 ] /
    /
    横山 智哉子 講師  [ 工学部 化学バイオ工学科 ]

    高性能バイオ医薬品の創製を目指し、抗体に着目した研究を実施しています。シングルセル技術などの高度な抗体工学手法を駆使し、医薬品のシーズとなる高性能なモノクローナル抗体作製や、作製法の技術開発をおこなっています。また、三次元培養法を駆使し、がんを中心とした疾患メカニズムの解明研究に取り組んでいます。さらに、細胞融合法を用い、がん細胞に細胞傷害性を誘導する二重特異性抗体の開発もおこなっています。

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  • 創薬材料科学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    薬物送達・分子標的治療学 生物薬剤学 タンパク質・ペプチド化学 ケミカルバイオロジー
    二重特異性抗体を用いた
    BNCT用BSH送達システムの開発
    長﨑 健 教授  [ 工学部 化学バイオ工学科 ] /
    /
    藤原 大佑 講師  [ 理学部 生物化学科 ]

    ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)はホウ素-中性子間で起こる核反応により生じる粒子線により、がん細胞を殺傷する。この粒子線の有効領域が細胞の大きさ1つ分に相当するため、がん細胞選択的なホウ素薬剤の送達によりがん細胞選択的な治療を遂行することができる。我々は、ホウ素クラスター化合物(BSH)とがん抗原の両方に結合可能な二重特異性抗体を用い、効率的なBNCT用BSH送達システムの開発を目指している。

    DDSを用いた
    がん微小環境制御による
    がん治療増感法の創出
    長﨑 健 教授  [ 工学部 化学バイオ工学科 ] /
    /
    藤原 大佑 講師  [ 理学部 生物化学科 ]

    β-1,3-グルカンをキャリアとし、難水溶性のがん微小環境制御剤を可溶化した複合体からなるナノゲルは、がん微小環境におけるdectin-1を発現し、がん免疫抑制や血管新生を促進する細胞を抑制する。その一方で、殺腫瘍作用を持つマクロファージ・樹状細胞・細胞障害性T細胞を活性化し、BNCTや大気圧プラズマがん免疫療法など種々のがん治療効果を増強するため、多くのがん治療法の効果を高めることが期待される。

    細胞内PPI特異的な
    分子標的ペプチド阻害剤の創出
    藤原 大佑 講師  [ 理学部 生物化学科 ] /
    /
    長﨑 健 教授  [ 工学部 化学バイオ工学科 ]

    ヒト・プロテオームにおいて65万種類のタンパク質間相互作用(PPI)の存在が予測されている。中でも疾患原因となる細胞内PPIに対する特異的阻害剤は、医薬品として開発が期待できる。しかし、細胞内PPIに特異的な医薬品の創出は未だに困難である。この課題を解決するために、進化分子工学とラショナルな分子設計方法を組みわせて、医薬品の元となる細胞内PPI特異的な分子標的ペプチド阻害剤を創出する。

  • 創薬生命化学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    タンパク質・ペプチド化学 薬物送達・分子標的治療学 ケミカルバイオロジー 生物物理学 有機化学
    細胞ペプチド化学を基盤とした
    創薬医学に貢献する薬物送達・
    機能制御に関する研究
    中瀬 生彦 教授  [ 理学部 生物化学科 ] /
    /
    道上 雅孝 講師  [ 理学部 生物化学科 ]

    細胞機能を可視化・制御する分子が日々研究開発されていますが、細胞内移行性が乏しい為に実用化されない場合が多く存在します。私達の研究チームは、ペプチド化学を基盤とした細胞内へ薬を運ぶ“運搬体”の設計・合成を行っています。例えば、開発した”運搬体”を用いたホウ素中性子捕捉療法への薬物送達応用といったDDS技術構築のみならず、ケミカルバイオロジー観点からの疾患関連細胞の機序解明に繋がる研究も展開しています。

    機能性ペプチドの設計と
    バイオ医薬品開発に関する研究
    道上 雅孝 講師  [ 理学部 生物化学科 ] /
    /
    中瀬 生彦 教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    近年、タンパク質を有効成分とするバイオ医薬品が注目されていますが、巨大で複雑な立体構造をもつため、細胞内分子を標的にできないなどの課題があります。当研究室では、より小型の「ペプチド」を用いた次世代バイオ医薬品を開発しており、独自に設計した分子標的ペプチドは従来のバイオ医薬品の機能を維持しながら約50分の1に小型化され、細胞内標的への応用拡大に向けた研究を進めています。

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  • 創薬免疫工学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    薬物送達学 生体材料学 高分子化学 免疫工学
    免疫応答を制御するための
    機能性高分子や機能性リポソームの開発
    弓場 英司 准教授  [ 工学部 化学バイオ工学科 ]

    私たちは「化学でくすりと免疫をengineeringする」をキーワードに、生体内、特に免疫系で機能発現するバイオマテリアルを創製することにより、化学を基にしたがん・免疫関連疾患治療技術の創出に関する研究に取り組んでいます。例えば、細胞内に効果的にタンパク質を運搬できる機能性リポソームにより、担がんマウスにおいて強力ながん免疫を誘導できることが示されています。

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  • 標識創薬化学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    有機化学 ケミカルバイオロジー 分子イメージング
    拡張型リガンド結合法に基づく
    低分子創薬化学に関する研究
    土居 久志 特任教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    創薬に資する化学反応の開発と化学者の経験知に計算科学を融合した低分子創薬に挑みます。特に、標的タンパク質の外部辺縁系から結合親和性を補完する拡張型リガンド結合法を推進します。本法に基づいた分子設計は薬剤の活性増強に有効であり、10-O-フルオロプロピル置換SN-38(抗癌剤)やN-メチル-3-O-フルオロプロピル置換SB366791(TRPV1阻害剤)等の高活性リガンドの開発に成功しています。

    化学標識法の創製と
    生体イメージングを活用した
    創薬化学に関する研究
    土居 久志 特任教授  [ 理学部 生物化学科 ]

    創薬の概念実証に有効な生体イメージング法として、放射性PETイメージング、超偏極MRIイメージング、および、近赤外光イメージングの化学標識法を創出します。PET研究においては、これまでに炭素−炭素結合による実用的11C-メチル標識法を開発してきました。今後は、低分子に加えて、核酸医薬や抗体医薬に対する化学標識法にも挑みます。最終目標として、セラノスティクス(診断と治療)への展開を図ります。

  • 病態創薬科学研究室
    [研究領域] 応用創薬
    分子細胞生物学 生化学 分子病態学 疾患生物学 タンパク質科学 細胞工学 RNA
    細胞内分子輸送機構と
    その異常に伴う
    疾病発症機構解明に関する研究
    片平 じゅん 教授  [ 獣医学部 獣医学科 ]

    真核細胞が機能する上で、RNAやタンパク質といった生体分子の細胞内輸送は、きわめて重要です。細胞内輸送機構の破綻は神経疾患やウイルス感染症をはじめとした、さまざまな疾患の原因になることも知られています。本グループでは、RNAの細胞内輸送に焦点を当て、その基本分子機構や疾病との関連について、ゲノム編集、次世代シークエンス解析など、最新の細胞生物学、分子生物学的な手法を取り入れながら研究しています。