日々の活動
2026年4月14日
【日々の活動】卒業旅行で触れた、タイの「水」と「レンガ」の建築文化
こんにちは!修士1年の柴田です。
私は卒業旅行ではじめてタイに訪れました。タイに行くまでは象に乗るアクティビティやサンセットのクルージング等アクティビティを楽しみにしていたのですが、実際に訪れてみるとタイの気候やまちなみ、建築物に感動することが多々ありました。
旅行初日に訪れたのは、寺院が集まる古都アユタヤです。特に「ワット・プラ・マハータート」をはじめとする歴史公園の遺構群では、その迫力に圧倒されました。
アプローチの足元から構造体の細部に至るまで、見渡す限り赤茶色のレンガで構築された世界。中心となる仏塔(プラーン)を取り囲むように、幾何学的かつ整然と配置された回廊や堂の跡からは、かつての強固な都市構造を感じ取ることができます。
アユタヤ歴史公園 調べてみると、ここに見られるトウモロコシ型の仏塔はクメール様式のヒンドゥー教寺院の影響を強く受けたものだそうです。現在、私たちが目にしているのは、石やレンガで造られた「聖なる空間」の基壇部。かつてその周囲に存在したはずの王宮などの「居住空間」は主に木造であったため、1767年の戦火によって焼失してしまったといいます。木造とレンガの対比を想像しながら遺跡を歩くと、アユタヤが辿ってきた壮絶な歴史と、当時の高度な積層技術が街の至るところに刻まれているのを肌で感じることができました。
アユタヤは「水の都」としても知られていますが、それを体感できたのが水上マーケットです。

水上マーケットの風景 ボートに揺られながら川面から建築を眺めると、日本では見られないユニークな空間構成に驚かされました。建物はすべて高床式で水中に佇み、建物と川の間には細いデッキ(木道)が巡らされています。このデッキが店舗同士を繋ぐネットワークとなっており、人々は川のせせらぎを感じながら回遊できるよう設計されていました。
水上マーケットの木道これは単なるデザインではなく、雨季の増水に適応しつつ、水上からの物流をダイレクトに取り入れるための極めて機能的な「水辺のパッシブデザイン」です。水路を主軸とした動線設計によって、建築が水の一部として溶け込んでいる風景は、都市と水の新しい関係性を再考させてくれる貴重な体験となりました。
今回の旅行を通して、アユタヤでは厳しい自然環境や歴史的背景に対して、先人たちがどのような素材を選び、どのような形態を導き出したのかを、五感を通して学ぶことができました。皆さんもぜひタイに訪れた際は見てみてください!
投稿者 / 柴田美玖(建築計画・構法研究室 修士1年)