代表者挨拶

大阪公立大学 先端生命科学寄附講座 特任教授
吉川敏一
令和4年(2022年)4月から先端生命科学寄附講座を開設しました。この寄附講座はニチニチ製薬株式会社の御理解と御支持のもとに、健全な社会を構築することを目的として設立されました。世界中の人々の幸福の原点は健康にあります。これには広く、地球上の環境改善や、すべての生物の平和共存が必要です。いわゆる”One World ,One Health “ です。これは私が理事長をしている、公益社団法人「生命科学振興会」の理念であり、講座名もそこから引用しました。研究内容は広く、文化・芸術的な取り組みから、食・運動・休養などの健康維持、さらには疾病の予防・治療に至る最先端の医学研究にまで広がる、いわゆる文理融合型の研究が中心となります。
私は京都府立医科大学でフリーラジカル(活性酸素)研究に携わり、その発生機序から化学的反応形式、病態発生への影響やその予防の研究を基盤として、地球環境や農作物に与える研究など、医学、農学、薬学のみならず、工学や芸術などの広い分野で研究を進めてきました。大阪公立大学にはこれらの多くの学部が存在しており、領域を超えた共同研究が容易に可能となるものと期待しています。中でも、食品による疾病予防が注目を浴び、食品の機能性表示制度が設定されました。古くから、病気の発生と食事との関連性は重要視され、医食同源と言われてきました。現在まで、農林水産省の協力を得て、機能性を有する農作物の作成にも情熱を注ぎ、今や多くの農作物が前述の機能性表示をしています。この研究をさらに発展させるべく、大阪公立大学農学部の研究者の皆様との共同研究を特に推し進めるつもりでいます。
人の健康を維持するためには、地球上のあらゆる生物の生活環境を快適なものに整えることが重要です。CO₂の排出量を制限し、地球温暖化を阻止しなければなりません。このための幅広い分離融合型研究を推し進めてまいります。また、本学肝胆膵外科の竹村茂一講師とニチニチ製薬とは長い期間、共同研究をしてきました。今後もこの寄附講座が協力して、大学とニチニチ製薬との共同研究を続けて行きます。
このように、新たに構築する研究室では、我々の今までの研究内容を大きく発展させ、生命科学に関する多くの共同研究を大阪公立大学の学部を超えた協同により実現し、公的資金の獲得や国際的な研究業績を上げる努力をしてまいります。宜しくお願いします。
特任教授
吉川敏一
竹村茂一
研究員
五藤健児
川出雄二郎
中川加奈子
齋藤直也
主な研究テーマ
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FK-23とLFKの作用機序解明および有効性の研究
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食品添加物による不妊と酸化ストレス予防
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ドライアイと免疫の関与
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新規肝硬変(臓器線維化)治療薬の創薬開発
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慢性腎臓病進行抑制サプリメントの開発
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小腸味覚受容体の役割と臓器相関の基礎的研究
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食品の生体内抗酸化作用と免疫調節作用の検討
主な業績
2021年 慢性腎臓病進行抑制剤 特許取得
(京都府立大学、ニチニチ製薬株式会社との共同出願)
2024年 論文掲載
Takemura S, Minamiyama Y, Ito N, Yamamoto A, Ichikawa H, Nakagawa K, Toyokuni S, Osada-Oka M, Yoshikawa T.
Heat-treated and/or lysozyme-treated Enterococcus faecalis (FK-23) improves the progression of renal disease in a unilateral ischemia-reperfusion injury rat model.
J Clin Biochem Nutr. 2024 Jul;75(1):78-89. doi: 10.3164/jcbn.24-29. Epub 2024