留学報告記
2019年8月1日
三木友一朗:スウェーデンのカロリンスカ研究所【2018年4月〜2019年8月】
2018年4月より2019年8月まで、1年5ヶ月にわたりまして、スウェーデンのカロリンスカ研究所に留学させて頂きました。 留学先のカロリンスカ研究所はストックホルムの北部に位置するスウェーデンでは最大の医科大学になります。カロリンスカ研究所を何より有名にしているのはノーベル医学生理学賞の選定をしていることにあると思います。ノーベル賞受賞者の記念講演や、かつての受賞者によるセミナーも行われており、これらへ参加する事が出来ました。
留学先の研究室はProf. Kaisa Lehtiという女性の研究者が主宰しており、スウェーデンのみならず、フィンランド、スペイン、トルコ、イラク、シンガポールと多くの国から来たポスドク、大学院生、修士学生から構成された多国籍なチームでした。従いまして、ラボ内では英語でのコミュニケーションがメインになります。
研究のプロの中で、実験に求められる質は高く、またそれをロジカルに説明出来る必要があり、前半は慣れるのに時間がかりました。幸い、前任者からの仕事を引き継いでいた関係で、一つのプロジェクトを論文化する形になったのですが、論文についてはボスのFigureの美しさに対する拘りが非常に強く、なかなか難渋しました。これらは大変な経験でしたが、この間に学んだ内容は、今後、自分が中心となって研究を進め論文化していく上で、非常に大きな力になると信じています。
また、現地では、同じラボではないですが、日本から来ている研究者も多く、色々な研究のバックグラウンドを持った人との繋がりが多く出来ました。またボスはカロリンスカ研究所以外にもヘルシンキ大学にもラボを持っており、ヘルシンキ大学のラボのメンバー、外科の先生などとも知り合う事ができました。今後も彼らと共同研究を行っていく予定にしておりますし、この間に得たネットワークというのも今後の糧になると思っています。 折角得た経験ですので、今後留学を志す先生のお手伝いも少しでも出来ればと思います。また若手の先生方と一緒に研究し、少しでも消化器癌の治療成績向上に繋がる仕事を出来れば幸せに思います。