留学報告記
2024年11月1日
夏木誠司:アメリカのFred Hutchinson Cancer Center, Program in Immunology, Translational Science and Therapeutics Division【2024年11月〜】
2024年11月より米国ワシントン州シアトルにあるFred Hutchinson Cancer CenterのChapuis研究室にて留学しております。シアトルは米国北西部に位置する港町で、冬は雨が多いものの緯度のわりに穏やかな気候です。ダウンタウンにはシーフード料理店が立ち並び、スターバックス1号店も観光名所として知られています。中心部の南にはシアトル・マリナーズの本拠地T-Mobile ParkとNFLシアトル・シーホークスの本拠地Lumen Fieldが隣接しており、スポーツの拠点として賑わう一方で、晴れた日には市内からアメリカ本土最大の火山であるマウント・レーニアを望む事ができ、豊かな自然にも恵まれています。 Fred Hutchinson Cancer Centerは、特に腫瘍免疫領域、血液腫瘍の研究で世界をリードしており、骨髄移植治療を開発したほか、数々の免疫療法を開発し、臨床試験を主導してきました。所属研究室のみならず、周囲の研究者たちも皆、タンパク質工学・ヒト免疫マウス・バイオインフォマティクスなど多彩な分野の専門家であり、日々活発な議論や共同研究が行われています。さらに米国内のみならず英国はじめ世界中の大学や企業と連携を活発に行っており、日常的に多数の会議が開催されています。 現在の私が取り組んでいる研究テーマは、難治性皮膚癌であるメルケル細胞癌に対するT細胞療法の開発・最適化と、その戦略の他がん種への応用を目指しています。基礎研究から臨床試験までを一体的に学べる環境に身を置き、帰国後には消化器がん治療へとつながる技術や視座を持ち帰るべく日々研究に励んでおります。 最後になりますが、多くのご支援をいただきながら貴重な経験を積めていることに、改めて心より感謝申し上げます。
左写真:Fred Hutchinson Cancer Center
中央写真:Mount Rainier
右写真:T-Mobile Park