研究内容

2025年7月8日

難治性胃癌研究グループ(上部消化管):三木友一朗、西山方規、松岡浩平

1.スキルス胃癌

近年、胃癌に対する化学療法は目覚ましい進歩を遂げていますが、難治性癌であるスキルス胃癌は依然として悪性度が高く、極めて予後不良な疾患です。また、著明な浸潤傾向が極めて強く、高い播種転移傾向を示すことから、その浸潤機序の解明および新たな治療法の開発が急務とされています。

2.癌微小環境に関して

癌細胞は間質細胞や細胞外マトリックスに取り囲まれ、これらとの相互作用を介して癌微小環境(TME:tumor microenvironment)を形成しています。間質を構成する主要な細胞である癌関連線維芽細胞(CAF:cancer associated fibroblast)と癌細胞との相互作用に注目しています。我々は、これまでにCAF由来のエクソソームがスキルス胃癌の浸潤能の亢進させることを報告してきました。

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3.現在の研究課題

エクソソームには表面抗原やタンパクに加え、microRNAが含まれていることが知られています。我々は胃癌組織から樹立したCAFが分泌するエクソソームに含まれるmicroRNAとスキルス胃癌との関連について解明し、新たな治療標的分子の探求を進めています。