研究内容

2025年9月24日

難治性大腸癌研究グループ:笠島裕明・大森威来

難治性大腸癌と癌周囲微小環境におけるエネルギー代謝変容の解析

癌微小環境(TME)は,癌細胞やその周囲に混在する様々な細胞・非細胞成分から構成され,免疫応答の回避や代謝経路のリプログラミングを通して腫瘍の進展に関与していることが明らかとなりつつある.

また大腸癌の分類として既存の病理組織学的分類などに加え遺伝子発現パターンに基づく大腸癌分子サブタイプ分類(CMS分類)が提唱され,23%を占める間葉型(CMS4)は他に比して非常に予後が悪く新規治療薬の開発が急務である.CMS4大腸癌の高い悪性度の原因として,線維芽細胞を主とする癌間質の活性化及び微小環境における癌細胞との相互作用にあることが徐々に明らかとなってきているが,未だその全容は解明されていない.

癌周囲微小環境と癌細胞との相互作用を紐解くことが,新たな機序での抗腫瘍薬の開発の一助となる.