思春期の子どもを支える会とは

 虐待、引きこもり、いじめ、ゲーム依存、危険ドラッグなど思春期の子どもの健康問題は山積しています。

 これは国が作成した日本の人口の推計です。少子・少産化の時代が一気にやってきました。

日本の人口の推計

 

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※総務省「国勢調査報告」、同「人口推計年報」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」、国土庁「日本列島における人口分布変動の長期時系列分析」(1974年)をもとに国土交通省国土計画局作成。


 働く人や子ども・高齢者を支える人が急激に少なくなります。このままでは国も家庭もお財布にはお金も入りません。医療や産業が進歩し、人は「死なない」、子どもも「授かるからつくる」ことができるようになりました。
 からだやこころ、いろいろな事情で産みたくても産めない人、家庭がもちたくてももてない人もいます。もちろん産むこと、家庭をもつことが「良い」こととは限りません。「良い」や「正しい」は私たち1人ひとりが考えていくことです。
 でも、もう少し私たち大人が行動すれば、未来の大人、今の子どもたちの中で、産める人が産め、子どもを育てたい人が育て、家庭をもちたい人がもてる社会にできるかもしれません。子どもがいなくても、隣の子どもを大切にする地域が保たれるかもしれません。

 1人ひとりが誰かとつながり、支え合い、この社会なら生きたい、誰かと生きたい、家族をつくりたい、社会や家族のために働きたいと思えるには、思春期からどのような支援があればいいのか。
 命、セクシュアリティ、人権、性感染症予防など健康、生活、社会について子どもたちと考える切り口はいろいろあって良いと考えています。私たち支援者は、教育・医療・保健・福祉・地域それぞれのフィールドで、同じまなざしで子どもと養育者(家庭)を優しく包み、支えることが重要だと考えます。特に、要支援家庭の思春期の子どもへの支援は、教師だけに委ねられるものではなく、学校という場に教師以外の他職種が専門的知識や人的パワーを持ち寄って'チーム学校'をつくり、子どもたちの顕在的・潜在的ニーズに合った最善の支援を行う必要があるのではというのが企画の発端です。
 

 すでにある連携をもっと滑らかに、ざるの目を合わせて、1人でもこぼれる子どもがいないように、同じ地域の支援者同士で顔が見える関係をつくり、どのようなリソースが近くにあるのか確認し、学校や学校以外で展開する思春期の子どもを支える教育・活動を考えていきます。子どもにとって、支援や支援者は地産地消に意味があります。専門家であれば、その職種のニーズに合わせて同じ職種が集まる研修・講習会がありますが、この会は違います。
 多職種が集って、1つのテーマで意見交換をし、「違いを知り、多職種間のまなざしを同じにしていく」こと。もう1つの目的は、交換した意見や反応を直でみて「人やアイデアが共鳴し、新しいシステムやサービスを生み出す」ことです。

 地産地消の横断的連携が大阪府下だけでなく、あらゆる地域で広がることを期待しています。子どもも大人も、1人ひとりが「幸せだと感じる」ために何ができるのか、支援者自身も疲弊しないよう「できることをできる範囲で」知恵や行動をもちよりましょう。