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ふらっと教育パートナーズ編集(2020)
大阪府立大学工業高等専門学校で始まった人権教育「ふらっと高専」の取り組みから生まれた教材です。
「理不尽ではない普遍的な社会の土台を築く」主体は私たちという考えのもと、「ふつう」を疑い、考えるための豊富な切り口が紹介されています。
子どもたちが読むだけでなく、家庭や学校、地域でそれぞれの内面や社会・文化に染み付いている「ふつう」という現象や人に出会える本です。
寺地はるな(2020)
30歳になった中学の同級生3人が家族、恋愛、故郷、将来…「あの時」「今」何を感じ、考えていたかが描かれた小説です。
「自分」のことでいっぱいだった思春期、当時の人と人との関係、偶然や必然の状況が全部わかって、予測もできたらよかった?
いえいえ、読後「人生はわからない。あの時も今も、私は私でいい」「あなたもあなたでいい」と思えるかもしれません。
借金玉(2020)
「みんなができるんだから、あなたもできる」大人からこの言葉を言われて「やってみよう」「できた!」という経験につながることがあります。
しかし「できないものはできない」人にとっては、自分はみんなと違うの?と傷つくこともあると思います。多くの人ができる=良いという考えを揺らしてみませんか?
「あなたが快適に生活できる」のが重要なのです。障害という診断の有無に関係なく、得体のしれない「みんな」に振り回されすぎない生き方が具体的に書かれています。
黒川伊保子(2020)
男らしさ・女らしさ、ジェンダーフリー…根拠の有無、複雑な論争はひとまず置いておき、脳科学者である1人の母親がどのように息子を育てたかという関心で読むのはどうでしょうか?「男女の脳は同じ、搭載されたスペック(機能)は同じである。
しかし常にフルスペックを使う装置ではなく、必要なときに必要な回路にだけ、すばやく電気信号を流す。多くの男性が選ぶ回路モデルと、多くの女性が選ぶ回路モデルがあり、明らかに性差がある」女性脳をもつであろう多くの母親が、はたして息子に対し、過剰に女性脳レベルをめざすアプローチでいいのか一考できる内容である。
教師など支援者にも役立つかもしれません。
V.E.フランクル/山田邦男・松田美佳訳(1993)
「人生から何を期待するか」ではなく、「人生は何を(私に)期待しているか」
ナチスによる強制収容所で過ごした体験をもつ精神科医・心理学者が捉える「生きること」について、例も紹介し、わかりやすく語りかけている本です。
病気や障がい、生活環境…置かれた状況も1人1人違う子どもを支援する大人がまず読み、「生きることはどういうことなのか」を深く考え、その子どもにとって少しでも心身の安寧をはかるには何ができるか、ヒント満載の内容です。
全国不登校新聞編(2018・2020)
みんなも1人1人違う、大人も1人1人違うことを知ることができる本です。特に毎日、ほぼおうちと学校だけで生活している人は、自分の周り以外の大人の考えを聞くチャンス、時間がなかなかないと思います。違った考えに触れ、考えてみる…それだけで何かが生まれるかもしれません。
大人、子どもと家庭を支える場にいる専門家がまず読みたい本でもあります。
倉本美津留著(2013)
あたりまえだと思っていたことは、実はそうではないのかもと、考えるきっかけを与えてくれる本です。カルタなので、1文字のメッセージは短く、読みやすい。
しかしながら、1文字1文字に込められたメッセージは深く、決めつけで、社会を小さくしていたのは自分自身だったんだと気づかされる本です。
山崎聡一郎著(2019)
むずかしい法律を子どもにわかるように書かれています。
著者の山崎さん自身が小学生の時、いじめを受けていたそうです。
「自分に法律の知識があれば、自分で自分の身を守れたかもしれない」という思いで生まれた本です。
大学生になった山崎さんの思いに共感した仲間が、一緒に文章を書いたり、お金を調達する方法を考えたりしてできた本だそうです。
思いと行動で、仲間ができるんだという希望ももてる本です。
レナルド・フェルドマン,M.ジャン・ルミ共著,浅井真砂訳(2018)
大人が言うこと、学校で習うことの中で、「昨日(この間)と言っていることが違うやん!」と感じた経験はないですか?まるで反対のことを言っていると。
あなたが何かを判断しないといけない時、最終的には自分で決めるのですが、一方向だけではなく、反対の方向、下からも上からも斜めからも多方向で「考えてみる」習慣があると役に立ちます。
この本には、先人の知恵を、自分に落とし込みやすいよう「選択課題」が載っています。何から考えたらいいか、ヒントになる課題です。
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