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2026年3月12日

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開催報告「こども未来共創サミット2026 冬」

1.開催趣旨と背景 

本サミットは、教育/福祉分野における産官学連携の枠組みである「こども未来創造プラットフォーム」の取り組みの一環として、2026年2月17日(火)に大阪公立大学 i-siteなんばにて開催いたしました。 

今回は「こどものためにつながる:学校と地域・企業」を全体テーマに掲げ、こどもを中心に据えた新たな連携のあり方を検討する場といたしました。 

こどもを取り巻く課題は、不登校、貧困、虐待、ヤングケアラー問題など複雑化・多様化しております。その一方で、支援制度は教育・福祉・行政といった分野ごとに設計されており、「情報の壁」や「制度の縦割り」が連携の障壁となる場面も少なくありません。 

本サミットでは、こどもを社会全体で見守り育てるために、教育と福祉がどのように連携を深化させていくことができるのか、また学校が地域にひらかれるための具体策やチャレンジ事例を共有することを目的といたしました。 

当日は、行政関係者、教育関係者、NPO、民間企業、研究者、学生など、多様なバックボーンを持つ皆様75にご参加いただき、産官学連携に向けた活発な議論が交わされました。 

 

2.プログラムの詳細報告 

■ アイスブレイク 

冒頭では、大阪公立大学現代システム科学域の学生がクイズ形式のアイスブレイクを実施いたしました。 

分野や立場を越えて参加者同士が自然に言葉を交わすきっかけとなり、会場の雰囲気を和らげる効果がありました。学生が主体的に関わることで、本サミットのテーマである「こどもを中心に据えた社会」の姿勢を象徴する導入となりました。 

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■ 講演 

「地域共生社会の実現に向けた 教育と福祉の連携について」 
講師:南 孝徳 氏(厚生労働省) 

厚生労働省の視点から、社会福祉法に基づく包括的な支援体制の整備や、生活困窮者自立支援法の改正による制度の機能強化についてご解説いただきました。また、支援会議の設計や個人情報保護との両立など、実務上の重要論点についても具体的な整理が示されました。 

さらに、「子どもの学習・生活支援事業」による包括的な支援の仕組みについても紹介があり、教育と福祉を横断した制度的連携の方向性が共有されました。 

参加者の声 

  • 「個人情報保護というハードルを越えるための法的整理について理解が深まりました」
  • 「支援会議のあり方を見直すきっかけとなりました」
  • 「国の制度を体系的に学ぶ貴重な機会でした」

制度面から連携を支える基盤について理解を深める講演となりました。 

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■ 講演 

「地域と一緒に “BE THE PLAYER” 
講師:北市 康徳 氏(加賀市教育委員会) 

加賀市における教育改革の実践事例をご紹介いただきました。教師主導の一斉授業から「子どもが主役の授業」への転換や、テクノロジーを活用した「加賀STEAMプログラム」の推進など、具体的な取り組みが示されました。 

また、企業やNPO(カタリバ等)と連携しながら従来の枠組みを再構築していくプロセスが共有され、自治体が主体的に変革を進める姿勢が印象的でした。 

参加者の声 

  • 「教育現場の熱量が伝わり、大きな刺激を受けました」 
     
  • 「自治体一丸となった取り組みが非常に印象的でした」
  • 「理念を実践へと落とし込む具体性が参考になりました」 
     

地域とともに教育を再設計する挑戦の姿が、多くの参加者に勇気と示唆を与えました。 

■ パネルディスカッション 

「大阪スマートシティによる 学校と地域の新たなコミュニティ・ポテンシャル」 
登壇者:瀬野 恭彦 氏、狩野 俊明 氏 

本セッションでは、データ連携基盤(ORDENmy door OSAKA等)を活用した、こどもを支える仕組みの可視化について議論が行われました。 

また、NTT西日本の「こそだて支援ソリューション」を例に、保育支援ICTシステムの導入による事務負担軽減や、保護者とのコミュニケーション効率化といった具体的な取り組みも紹介されました。データ基盤の整備と現場の業務効率化が両輪であることが示されました。 

参加者の声 

  • 「持続可能なコミュニティづくりの方向性に共感しました」
  • 「デジタルが苦手な層への配慮も重要だと感じました」
  • 「具体的な画面や機能をさらに詳しく知りたいと思いました」 
     

技術の可能性とともに、今後の改善課題も明確となりました。 

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■ ワークショップ・ネットワーキング 

講演後にはリフレクションの時間を設け、その後、参加者同士の自由な交流を行いました。本セクションは、参加者アンケートでも高い満足度を得ました。 

参加者の声 

  • 「普段接点のない他分野の方と理念を共有できました」
  • 「学生の進行により、安心して意見交換ができました」
  • 「今後の連携につながる具体的な対話ができました」 
     

分野や立場を越えた対話が生まれ、今後の協働に向けた関係性の構築につながる時間となりました。 

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3.総括と今後の展望 

本サミットでは、制度的視点、自治体の実践事例、デジタル技術の活用という三つの観点を横断しながら、「こどもを中心に据えた産官学連携」の可能性を共有いたしました。 

同時に、デジタル活用の包摂性の確保や、継続的な連携体制の構築といった今後の課題も明らかとなりました。 

今後も「こども未来創造プラットフォーム」を通じて、学校・地域・企業が連携し、こどもを社会全体で支える仕組みづくりを推進してまいります。