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2026年2月22日

ハトガンマコロナウイルスのゲノム解析に関する論文が公開されました! Our paper about pigeon gamacoronaviruses has been published!

ハトガンマコロナウイルスのゲノム解析に関する論文が公開されました!
Our paper about pigeon gamacoronaviruses has been published!

Detection and genetic characterization of pigeon gammacoronaviruses
Hiroko Kobayashi, Mai Kishimoto, Sakiho Imai, Yasuko Orba, Hirofumi Sawa, Masayuki Horie
The Journal of Veterinary Medical Science (Advance Publication)

コロナウイルスは様々な動物に存在しますが、その中で主に鳥類に感染するグループがガンマコロナウイルス(注1)です。その一つであるハトガンマコロナウイルスは2005年に報告されていました。しかし、これまでの報告では遺伝子のほんの一部(断片的な情報)しか検出できておらず、どのようなウイルスなのか、その全体像は長い間未解明のままでした。

本研究では、過去に報告された断片的なゲノム情報をもとにした公共のRNA-seqデータの網羅的な解析により、ハトガンマコロナウイルス由来の配列情報を探し出し、本ウイルスのほぼ完全長ゲノム(全遺伝情報)を復元することに初めて成功しました。

得られたゲノム配列を詳しく調べたところ、このウイルスは分類基準に照らし合わせると、ガンマコロナウイルスにおける「新種」のウイルスであることが示されました。また、近縁ウイルスと遺伝子情報を比較した結果、ウイルスのゲノム末端部分において、遺伝子の並び方・種類に独自の特徴があることも判明しました。さらに、ハトガンマコロナウイルス内でも遺伝子の並び方・種類に多様性があることが示唆されました。

本研究により、ガンマコロナウイルスの多様性が明らかになりました。また、ほぼ完全長ゲノムを明らかにすることによって、その分類についても有用な知見が得られました。以上のとおり、世界中で公開されている膨大なデータを有効活用して、部分配列のみしか検出されていないウイルスの全貌を明らかにするという研究手法の重要性も示されました。

注1)コロナウイルス科のなかで、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタと分類される4つの属のうちの一つ。アルファやベータが主に哺乳類に感染するのに対し、ガンマは主に鳥類に感染します。