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2023年9月15日

新規エフェメロウイルスの発見に関するプレプリントを公開しました

公共データベースの大規模検索による新規エフェメロウイルスの発見に関するプレプリントをJxivに公開しました。

Identification of a novel ephemerovirus in a water buffalo (Bubalus bubalis [Linnaeus, 1758])
Sakiho Imai, Mai Kishimoto, Masayuki Horie

エフェメロウイルスは、モノネガウイルス目ラブドウイルス科エフェメロウイルス属のウイルスであり、吸血節足動物に媒介されるRNAウイルスです。代表的なエフェメロウイルスは牛流行熱ウイルスであり、家畜の感染症としても重要なウイルスです。塩基配列決定技術の進歩により、近年にはいくつかの新規のエフェメロウィルスが同定されていますが、その多様性は依然として解明されていません。

本研究では、公共データベースのRNA-seqデータを再解析し、インドの水牛(Bubalus bubalis [Linnaeus, 1758])から新規エフェメロウイルスを同定し、パンジャブウイルス(PBV)と名付けました。既知のエフェメロウイルスとの塩基配列比較から、PBVはICTVのエフェメロウイルス属の新種の基準を満たすことが示されました。一方、PBVが検出された水牛は子宮炎であったことが記載されていますが、PBVと疾病の関連は明らかではありません。今後の疫学研究の結果が待たれます。

本研究によって得られた知見はエフェメロウイルスの多様性の理解、さらには今後の感染症対策に有用であると考えられます。

なお、学部生の今井さんがファーストオーサーです。堀江が着任以降、初の学部生がファースオーサーの論文です!あと、初めてJxivにプレプリントを投稿しました。