What's new

2026年1月20日

  • 研究関連

イルメナイト型MnGeO3の電子物性の全容解明に取り組んだ論文がPhys. Rev. Mater.に掲載されました。昨年度修了の青木君が中心となって進めた研究です。

イルメナイト構造は遷移金属化合物における代表的な結晶構造の一つであり、近年では多彩な電子物性が発現する舞台として注目を集めています。この中でMnGeO₃は、ディラック半金属と呼ばれる特異な電子状態をとることが理論的に提案されていましたが、合成の難しさから、良質な単結晶を用いた実験研究はこれまでほとんど行われていませんでした。本研究では、高圧合成法を用いてMnGeO₃の単結晶合成に成功し、それを用いた多様な実験手法による多角的な研究を行いました。その結果、MnGeO₃は理論予測に反して絶縁体であること、さらに反強磁性秩序相において、時間反転対称性および空間反転対称性の破れに起因する線形電気磁気効果ならびに第二高調波発生が生じることを明らかにしました。これらの成果は、MnGeO₃がイルメナイト型構造を舞台とした対称性依存物性の探究において有望な物質であることを示しています。本研究成果は、アメリカ物理学会(APS)が発行する学術誌 Physical Review Materials にオンライン掲載されました。