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2026年1月8日
【New publication】熱に弱い「カーボンドット」の弱点を克服!高温プラスチック成型に対応する「光るシリカ微粒子」の開発に成功!

次世代の発光ナノ材料として注目されている「カーボンドット」は、毒性が低く環境に優しいという利点がある一方で、「熱や環境変化に弱い」という課題がありました。そのため、一般的なプラスチックに練り込んで高温で加工(射出成形など)しようとすると、熱で発光特性が失われてしまい、工業的利用に向けた障壁となっていました。
本研究では、シリカの前駆体である「ゾル-ゲル溶液」とスプレードライ法(噴霧乾燥法)を組み合わせる手法を用い、カーボンドットを微小なシリカ(ガラス)の粒子内に内包することに成功しました。形成されたシリカ微粒子は非常に緻密な殻(シェル)構造を持っており、酸素の侵入や熱から内部のカーボンドットを効果的に保護します。
これにより、350℃の高温にも耐えうる高い熱安定性を実現しました。これまでカーボンドットでは困難とされていた、250℃での汎用プラスチック(PMMA樹脂)の射出成形や、光造形3Dプリンターでの立体造形が可能となります。さらに、合成過程でカーボンドットの濃度を調整することで、「発光色(青から黄色)」「透明度」「発光強度」をそれぞれ独立して制御できる特長も備えています。
この技術を応用することで、通常の光の下では透明で見えないものの、紫外線(UV光)を当てると内包された立体物が発光して浮かび上がる「Hidden-to-revealed(隠し発光)」機能を持たせることも可能です。本成果は、偽造防止などのセキュリティ技術や次世代ディスプレイなど、これまで環境耐性の低さから応用が制限されていたカーボンドットの産業的な利用範囲を大きく広げる可能性を示すものです。
[論文情報]
Hirohisa Iwabayashi, Kenji Okada, Arisa Fukatsu, Ryohei Mori, Masahide Takahashi
Scalable Synthesis of Thermally Robust Carbon Dot-Silica Microspheres Enabling High-Temperature Polymer Processing and Multifunctional Luminescent Composites
ACS Applied Materials & Interfaces (2026).