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2023年2月9日

  • フェローシップ生の研究成果

フェローシップ生の研究成果 工学研究科 岡大志さん

<今までの定説を覆す!!>


本学フェローシップ生の岡大志さんが参加する共同研究グループは、これまで閉殻分子とみられていた近赤外吸収色素が、閉殻と開殻の中間的な電子構造を持つことを発見しました。また、色素内で開殻構造の割合が増加すると、吸収できる近赤外光の波長が長くなることを明らかにしました。

スマートフォンカメラの赤外線カットフィルターやセキュリティーインクには、目に見えない近赤外光を効率よく吸収するために近赤外吸収色素が使用されています。これまで、化学的な安定性の観点から閉殻構造を持つ色素の開発が行われてきましたが、吸収できる近赤外光の波長が短いため、より長波長の近赤外光を吸収できる色素が必要でした。
本研究で発見した近赤外吸収色素の新たな特性を活かして、長波長の近赤外光を吸収可能な、新しい近赤外吸収色素の開発が期待されます。

フェローシップ生の研究成果_岡大志さん
本研究成果は、英国王立化学会が刊行する国際学術誌「Chemical Science」のオンライン速報版に、2023年1月16日に掲載されました。

掲載誌情報

【発表雑誌】Chemical Science(IF=9.825)
【論文名】Unveiling a new aspect of oxocarbons: open-shell character of 4- and 5-membered oxocarbon derivatives showing near-infrared absorption
【著者】Takeshi Maeda, Taishi Oka, Daisuke Sakamaki, Hideki Fujiwara, Naoya Suzuki, Shigeyuki Yagi, Tatsuki Konishi and Kenji Kamada

【掲載URL】https://doi.org/10.1039/D2SC06612B

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大阪公立大学大学院 工学研究科の岡 大志大学院生(博士後期課程1年)、前田 壮志准教授、鈴木 直弥助教、八木 繁幸教授と理学研究科の藤原 秀紀教授、酒巻 大輔助教、産業技術総合研究所 材料・化学領域 ナノ材料研究部門の鎌田 賢司上級主任研究員、小西 龍生氏(当時 関西学院大学連携大学院生)らの共同研究グループ

プレスリリース全文.pdf(PDF文書:621.1KB)



マテリアルイノベーションを通した国際的博士人材育成
工学研究科  物質化学生命系専攻 岡 大志(博士後期課程1年