活動報告

2025年11月11日

マルチスペクトルカメラ搭載ドローンによる森林調査

2025917()、大阪府環境農林水産部との連携事業として、大阪府泉南郡熊取町にて森林調査を行いました。マルチスペクトルカメラ搭載ドローンを活用し、取得したデータからNDVI値(植物による太陽光線反射の特徴から、樹木の活力度を求める指標)を算出して倒木リスクの可視化を行います。昨年10月と今年7月にも同様の調査を行っており、今回はより範囲を拡大して計測を行うとともに、これまでに取得したデータから算出したNDVI値の低い(樹木の活性度が低い)箇所について、実際に目視で調査を行いました。

近年、ナラ類の木が枯れる「ナラ枯れ」という被害が拡大しています。これは、「カシノナガキクイムシ」という昆虫が「ナラ菌」という病原菌を木の中に運び込むことよって引き起こされる樹木の伝染病です。枯死木が発生した場合、落枝や倒木の危険があるため、できるだけ速やかに、伐倒処理を行うことが推奨されます。

今回の調査では、ナラ枯れの進行状況を確認するためのマルチスペクトルデータの取得と、上空からのドローン調査ではわからない樹木の状態確認を大阪府環境農林水産部の方々と行いました。マルチスペクトルデータについては、これまでの蓄積データとあわせて機械学習によるナラ枯れの自動検知分析に使用する予定です。樹木調査ではナラ枯れによる枯死木を何本か見つけることができましたが、ナラ枯れが進行中の樹木は見つけることができませんでした。予想よりもナラ枯れの進行がはやいのかもしれません。

今後もマルチスペクトルカメラ搭載ドローンを活用した解析技術を深化させ、植生調査の効率化・高精度化をめざします。

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なお、本研究は本学の工学部都市学科 | 大学院工学研究科都市系専攻 空間情報学研究室と共同で取り組んでいます。