記事
2026年6月30日
- 現代システム科学
- 在学生
学べることは当たり前ではないと実感、障害の社会モデルを問い直して/丸山 萌菜さん(現代システム科学研究科)
2022年4月に誕生した大阪公立大学。2026年3月には1期生が巣立ちました。
OMU1期生で大学院へ進学した丸山 萌菜さんに、自身の研究や、知的障がいのある方の“大学で学ぶ機会”をつくる取り組み「大阪公立大学オープンカレッジ」での活動について伺いました。

PROFILE
丸山 萌菜(まるやま もえな)
- 2022年4月 現代システム科学域教育福祉学類 入学
- 2024年秋ごろより、大阪公立大学オープンカレッジにスタッフとして参加。現在も継続して活動している。
- 2026年3月 現代システム科学域教育福祉学類 卒業
- 2026年4月 大学院現代システム科学研究科博士前期課程 入学
※所属・学年は取材当時
志望理由と大学生活
- インタビュアー
-
大阪公立大学を選んだ理由を教えてください。
- 丸山 萌菜さん(以下、丸山)
-
現代システム科学域のカリキュラムと経済的な支援制度に魅力を感じたためです。障害のある家族がいたことで以前からインクルーシブ教育に関心がありました。教育福祉学類では教育の視点だけでなく、社会福祉の観点からも学ぶことができ、かつ教員免許と社会福祉士両方の資格を得ることができる点に大きな魅力を感じていました。
- インタビュアー
-
どのようなゼミに所属されていましたか。
- 丸山
-
障害者福祉の分野を専門とする三田 優子教授のゼミに所属していました。私がこのゼミを選んだ理由は、先生が専門分野に収まらず、さまざまな人や地域、広く他分野と関わりを持っておられたことに魅力を感じたためです。そのような環境の中で、自身の関心を広げながら学びを深めていけると考え、志望しました。
- インタビュアー
-
大学院では、どのような研究をされているのですか。
- 丸山
-
学域の卒業論文は「障害の社会モデルを問い直す」というテーマで書きました。障害は個人の心身機能によるものだけではなく、社会的障壁との間に生じると考える社会モデルですが、この考え方をただの理論に留めず、より全ての人に自分ごととして捉えるためにはどうしたらよいかを考えていました。大学院では社会モデルの考えを他分野での実践(教育や建築など)に展開することを目指してさらに深めていきたいと考えています。

“学ぶこと”について考えることができたオープンカレッジ
- インタビュアー
-
オープンカレッジ(通称:オプカレ)について教えてください。
- 丸山
-
オプカレは知的障害のある方の大学で学ぶ場をつくる取り組みです。受講生の方(私たちは“学生さん”と呼んでいます)は2年間在籍し、月に一回学内外の講師による講義を受けています。この活動は、特別支援学校を卒業した人で大学に進学する割合が約2パーセントととても低い中、「大学で学びたい」という思いを実現する場として始まりました。前身校の大阪府立大学で1998年に開設され、28年続いています。


- インタビュアー
-
どのようなきっかけでオプカレに参加することになったのですか。
- 丸山
-
入学当初からオプカレのことは知っていて関心はありましたが、成人の知的障害のある方と関わったことがあまりなかったためハードルが高く感じられ、参加していませんでした。しかし、社会福祉士の実習先で成人の知的障害のある方と接して楽しさを実感じていた時に、同じ学類の友人が誘ってくれたんです。一度参加してみると、学生さんの学びへの意欲に感化され、またこれまで自分が受けてきた教育の形とは異なる“自由”な学びのあり方にあっという間に魅了されました。
- インタビュアー
-
オプカレではどんなことをしているのですか。
- 丸山
-
私たちスタッフは、講義の準備のため先生方と日程調整をしたり、当日の運営を行なっています。当日は、あくまで学ぶ学生さんが主体であって、介助になってしまわないよう手助けに徹することを心掛けています。講義の合間には、学生さんと楽しくおしゃべりもしたりします。


- インタビュアー
-
丸山さんにとってのオプカレとは?
- 丸山
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学ぶことの楽しさを再認識させてくれた場所です。
学生さんは学習意欲が高く、大きな声でどんどん質問をする方もいます。でもそういう方だけではなく、黙々とメモを取っている方もいます。私たちはつい型にはめがちですが、学び方はいろいろあってよいのだと学びました。また、学生さんたちは毎月の講義をとても楽しみに、一つひとつの学びの機会を大切にされています。そうした姿に触れることで、同じ学生として、私自身も学ぶことの喜びや楽しさを改めて教えていただきました。
後輩へのメッセージ
- インタビュアー
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大学院卒業後の目標はありますか?
- 丸山
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資格を活かして、特別支援学校の教諭か企業での障害者雇用の担当など、社会モデルを実践していきたいです。将来的には研究者の夢もありますが、この研究・学問分野は現場での経験が大切なため、多くの経験を積みたいと考えています。
- インタビュアー
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最後に、後輩や受験生へメッセージをお願いします。
- 丸山
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大学では所属する学部の授業だけでなく、ボランティアや課外活動など様々な機会を通して多くの人と出会い、学ぶことができます。ぜひ、大学という環境を活かして自分の興味あることや全く知らなかった領域にも触れてみてください。
そして、オプカレはそうした「大学」で学ぶことが当たり前では無いこと、そうした環境に自分たちがいることに気づかせてくれる場所です。ボランティアの受け入れは高校生からしているので、興味があればぜひ門を叩いてみてください!
皆さんと出会えることを楽しみにしています。
関連情報
オープンカレッジに興味を持たれた方は、ボランティア・市民活動センターまでご相談ください。