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2026年9月25日

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理系女子の未来を拓く大阪公立大学「女子STEAM人材育成研究所」の取り組み -関西科学塾で広がるグローバルな学びと可能性-

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「身近なロールモデル」との出会いで、科学の面白さを体感

近年、理工系分野における女性研究者や技術者の活躍が期待される一方、日本では研究者に占める女性の割合が依然として低い状況にあります。
総務省の2025年(令和7年)科学技術研究調査によると、日本の研究者に占める女性の割合は19%にとどまっています。年々増加傾向にはあるものの、OECD(経済協力開発機構)加盟国と比較しても依然として低い水準です。
一方で、近年の文部科学省による国際学力調査では、日本の女子中高生の理数能力は高く、男女差はほとんど見られません。それにもかかわらず理系進路への選択がためらわれる背景には、「実験・実習など科学の楽しさを体感する機会がない」「身近にロールモデルがおらず、将来像を描きにくい」などの要因があると考えられています。

こうした課題を背景に、STEAM分野の女性人材育成を支援する試みが広がっています。
STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術・リベラルアーツ(Arts)、数学(Mathematics)の5つの単語の頭文字を組み合わせた新しい教育概念です。いま、教科の枠を超えて学びを結びつけ、社会の問題を自ら発見し、解決する力を育む分野融合の横断的教育、「STEAM教育」の重要性が高まっています。

ジェンダーギャップの解消や、STEAM分野における多様性(ダイバーシティ)推進を目指し、2022年8月に設立されたのが『大阪公立大学 女子STEAM人材育成研究所(Laboratory for Cultivation of Young Women’s STEAM)以下、「CYW STEAM」』です。

CYW STEAMは、進路選択を控えた女子中高生に対し、科学や技術の魅力を伝え、多様なロールモデルとの出会いを提供することで、理工系分野の面白さや奥深さ、可能性に触れる機会づくりに取り組んでいます。

その主要な取り組みの一つが、「女子中高生のための関西科学塾」です。本学と京都大学、大阪大学、神戸大学、奈良女子大学と一般社団法人関西科学塾コンソーシアムが連携して2006年から実施しています。

理系女子の可能性を描ける場に 「女子中高生のための関西科学塾」

2026年8月6日(木)、大阪公立大学I-siteなんばにおいて、「第21回 女子中高生のための関西科学塾 B日程 ~サイエンスで世界とつながろう~」を開催。88名の女子中高生が参加しました。

当日は、まず米国とオンラインで繋ぎ、女性研究者が自身の経験をもとに「科学を学ぶ意義」について講演しました。続いて、理学研究科の Savannah Garmon 准教授から自身が研究者を志した経緯や研究内容を紹介。その後、「自然環境という共通言語で世界を見る」をテーマに農学部緑地環境科学科の木下 花菜子さん、「私の世界が広がった理由~高校時代の挑戦と未来へのステップ~」をテーマに農学研究科生命機能化学専攻の千田 小春 アリシアさん、「研究がつなぐ世界」をテーマに獣医学研究科獣医臨床科学分野の杉崎 皓子さんが、それぞれの海外体験を発表しました。

参加者は、各講演者からの「科学に関する問い」を受け、グループディスカッションを実施。自身の科学に対する考え方や将来像、世界との関わりについて活発に意見を交わしました。さらに、英語で科学に挑むクイズ「チーム・トリビア(サイエンス一問一答 in English)」に挑戦し、科学の面白さと生きた英語表現に触れました。

 

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木下さん

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千田さん

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杉崎さん

関西科学塾参加者らの新たな発見と気づき

参加者からは、グローバルな視点から科学や研究の世界に触れたことで、新たな発見や気づきを得たという声が多く聞かれました。

参加者(中2)

「研究者の方の話はスピードが速くて聞き取れない部分もありましたが、もっと理解できるようになりたいと思いました。英語を勉強するモチベーションになりました」

参加者(中2)

「オンラインで話してくださった先生の英語がとても流暢で、自分はまだまだ英語力が足りないと感じました。以前海外に住んでいたこともあり、また海外に行って、もっといろいろな人と交流してみたいという気持ちが強くなりました」

参加者(高1)

「理系に進むかどうか迷っていますが、自分から情報を集めに行かないと分からないことも多いと考え、今回参加しました。大学では一つの分野を選んだらその道しかないと思っていたのですが、参加して、一つの分野からいろいろな方向に進路は広がっていくことを知りました。選択肢がたくさんあることが分かって良かったです」

参加者(高1)

「英語で科学を学ぶ機会はこれまであまりありませんでした。参加したことで、科学や研究を通して、海外の人たちとも繋がることができるんだと気づくことができました」

参加者(高2)

「私は科学そのものというより、海外に出たいという思いがあって参加しました。留学経験の話を聞いて、より憧れが強くなり、挑戦することの大切さを感じました。海外は少し怖いイメージもありましたが、思ったより気軽にチャレンジしてみてもいいのかなと思えるようになりました」

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講演者からの問いについてグループディスカッション

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ディスカッションした内容をまとめて発表

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他チームの発表内容を見る参加者

 

ロールモデルとの出会いが未来を変える

CYW STEAMセンター長を務める細越 裕子教授(理学研究科)は、次のように話します。

「『関西科学塾』は、科学の実験体験や、仲間・ロールモデルとの交流の場として実施しています。『サイエンスで世界とつながろう』をテーマとするイベントは、2024年に開始しました。3年目となる今回は88名もの中高生が参加し、和気あいあいとグループワークに取り組む姿が印象的でした。運営に協力してくれた大学生・大学院生たちも、みな活き活きと楽しそうに活躍してくれて、頼もしく感じました。参加した皆さんが、科学をより身近に感じ、自分の未来をポジティブに描くきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。このイベントを見つけ、自ら申し込み、実際に参加したその『積極性』を、ぜひこれからも持ち続けてほしいと願っています」

 

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細越CYW STEAMセンター長

社会全体で女子中高生の挑戦を支える環境づくりへ

CYW STEAMは、関西科学塾の運営にとどまらず、教育委員会との連携事業や学校理科展覧会への実験ブース出展など、多様な取り組みを展開しています。生徒本人へのアプローチだけでなく、保護者や教員にも理系進路への理解を深めてもらうことで、社会全体で、女子中高生がSTEAM分野へ挑戦しやすい環境づくりを進めています。

本学は今後も、研究者や技術者が性別にかかわらず、世界を舞台に個性と能力を発揮できる社会の実現を目指し、未来を担う女子中高生の可能性を拓く取り組みを通じ、女性研究者支援やダイバーシティ推進に力を注いでいきます。

※所属・学年などは掲載当時

関連情報

協創研究センター 女子STEAM人材育成研究所|大阪公立大学(大学Webサイト)

女子中高生のための関西科学塾Webサイト