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2023年10月10日

日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医の取得!(西尾 康平)

この度、日本肝胆膵外科学会「高度技能専門医」を取得したことを報告させて頂きます。

「日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医制度」とは「高難度の手術をより安全確実に行うことができる外科医師を育てる」ためのもので、肝胆膵外科高度技能専門医修練施設で50例以上の高難度肝胆膵外科手術の執刀を行い、それら50例の手術記事とその内の1例の手術動画を学会に審査、評価される制度です。高度技能専門医修練施設は日本全国でおよそ288施設、この限られた施設で手術経験を積まないとこの高度技能専門医の受験資格すらもてません。まずはこのような機会を私に頂きました多くの先生方にはこの場を借りて、心から御礼申し上げます。

 今でこそ、肝胆膵外科をメインで診療に携わっておりますが、もともとは消化器外科医として大阪市立大学腫瘍外科に入局し、肝胆膵外科の手術、特に高難度手術はそれこそほとんど経験していませんでした。医師5年目の時に明治橋病院で勤務していた際に、現明治橋病院副院長の小山剛先生のアドバイスで、大学の手術見学を勧めてもらったのが肝胆膵外科に関わる最初でした。週に1回大学で、膵頭十二指腸切除や肝切除などの多くの肝胆膵手術を経験しました。この機会がなければ、おそらく肝胆膵外科を専門にはしていなかったと思いますし、高度技能専門医ももちろん取得できていなかったと思います。小山先生本当に感謝申し上げます。

 その後医師9年目で大学に戻った後、肝胆膵の手術を中心に多くの手術の執刀や前立など経験させてもらいました。特に天野先生には、手術のいろはから応用までありとあらゆることをご指導頂きました。私の高度技能専門医取得に、一番ご尽力頂いた先生で、まさに恩師というべき先生です。天野先生、本当にありがとうございました。

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 この試験は手術手技習得が一番大事なのは勿論ですが、それ以外に手術動画の撮影が結構大変です。実際に6時間くらいの手術を録画して提出しなければいけないのですが、かなり注意していないと術者や助手の頭などが簡単に画面に入ってしまい、提出用の動画として成り立ちません。手術開始から終了まで、画面をチェックしてもらわないと提出用の動画を作成するのは難しく、多くの先生方に貴重な時間を割いて、手術中に動画のチェックをして頂きました。この専門医取得にあたってご協力頂いた多くの先生方、特に医局の先生方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

 今回この高度技能医取得にあたって当科のチームワークや教育体制の良さを改めて痛感しました。今後は、さらなる手術手技の向上に努めるのは勿論のこと、これまでに経験したことを多くの後輩に伝え、高度技能医育成に尽力いたします。

 当科のスタッフは最高です!!肝胆膵外科を目指している先生方の見学いつでもお待ちしております。

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