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2025年5月11日

2年間の兵庫医科大学国内留学(白井 大介)

2014年卒の白井大介です。

大阪公立大学の大学院を卒業後、2年間兵庫医科大学で勤務させていただき、非常に有意義な時間を過ごすことができましたので、その報告をさせていただきます。

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兵庫医大は武庫川沿いにある大学で、大阪からのアクセスは意外とよく、梅田には15分ぐらいで行ける距離にあります。甲子園にも近く、阪神戦の試合終了と帰宅時間が重なると、汗と酒の匂いが混じった満員電車に揺られて帰宅しないと行けないので、そこは気をつけないといけないですが、阪神ファン、野球好きには最高の立地です。(私も観戦に行きたかったが、色々忙しくていけなかった。。。)私が勤務しているときは非常に古い建物で、オペ室とICU・救急は新しい建物だが、病棟は、、、であったが、現在敷地内に新病院も建設中で2026年に開業予定であり、職場環境も今後かなり整っていくと思われる。

 

医局としては、完全に臓器別になっており、上部外科、下部外科、肝胆膵外科、炎症性腸疾患外科に分かれている。穿孔などの緊急手術をすることはほぼなく、肝胆膵手術に集中した2年間であった。手術件数も非常に多く、去年は膵切除100件近く、肝切除80件程度であり、いわゆる高難度手術もおそらく100件を超える手術を行っている。医局員もそれほど多くなく、必然的に非常に多くの高難度手術の執刀経験ができた。

 

一人前の肝胆膵外科医と認められるには外科専門医、消化器外科専門医を取得後、肝胆膵高度技能専門医の資格を取得する必要がある。(もちろんそれがすべてではないが、今の時代、とれる資格は取っておいた方がよいだろう。)高度技能専門医取得にはざっくりと高難度手術50例以上+ビデオ審査が必要である。私は大阪公立大学に大学院生としているときに高難度手術は20例前後経験していたので、兵庫医大では高度技能専門医取得のための50例をなんとか集めて、あわよくば綺麗なビデオを撮れたらという目標を立てていた。

 

最初、医局も全く違い、知り合いも全くいない状態でのスタートで不安もあったが、医局員の先生はみんな優しく、非常によい環境で学ぶことができた。手術の技術はもちろんのこと、学会発表などの学術的なところもご指導いただき、手術などの臨床と学会発表も多くこなして忙しかったが、非常に充実していて、成長を感じれた2年間であった。海外学会で発表する機会もあり、いい経験ができた。忙しいとは言いつつ、チーム制で患者を管理しているので、オンオフはしっかりしていて、休みの日はちゃんと休めて、プライベートの時間もとれる環境であった。

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廣野教授のもと、膵臓の症例は特に多く執刀させていただき、気が付けば2年で50例もの高難度手術を執刀させてもらい、膵頭十二指腸切除術で納得のいくビデオも撮影できた。動画チェックを手術開始から終わりまでしっかり監視して頂いた先生にはほんとうに感謝しかない。廣野先生をはじめ兵庫医大の医局の先生方には、大変お世話になり肝胆膵外科医として多くの経験を積むことができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

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最後に、私の場合は兵庫医大であったが、他にも大阪公立大学肝胆膵外科では、全く違う環境のハイボリュームセンター(がん研有明病院、虎の門病院など)で研修をして、技術を磨いている私と学年が近い若手がたくさんいます。石沢教授は若手教育にも注力しており、今後の大阪公立大学肝胆膵外科医局は間違いなく大きく発展していくでしょう。

肝胆膵外科に興味のある方はぜひ入局を、そうでない方でもぜひ見学にきてください!

(追伸)

白井大介先生は、2025年発表の肝胆膵外科高度技能専門医に合格を果たすことができました。

ひとえに、廣野誠子教授をはじめ、兵庫医大の先生方の「熱い」ご指導のおかげです!

お世話になった皆様に、心から感謝申し上げます。 

石沢 武彰