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2025年6月23日
NYよ、また会う日まで~外科医 in マンハッタン~(西村 貞徳)
2025年3月、日本に帰国し、4月からは本格的に肝胆膵外科医として臨床復帰!ようやく白衣のリズムにも慣れてきた今日この頃。NYでの留学生活も、気づけばすっかり昔の話に…。ということで、思い出が風化しないうちに、気まぐれ備忘録として書き残しておこうと思います。
2021年5月〜2025年3月、約4年間を過ごしたのは、世界の中心・マンハッタンのupper east sideに位置するWeill Cornell Medicine。
Cornell?知らない・・いえいえ、あのHarvardやColumbiaと並ぶIVY Leagueの名門で、世界大学ランキングでも常に上位に食い込む一流大学です。その医学部は世界有数のがんセンター Memorial Sloan Kettering Cancer Centerとノーベル賞を幾人も輩出しているRockefeller大学に囲まれて、学術都市を形成しています。そんなハイレベルな場所にあるPathologyラボで、肝細胞癌の研究に没頭していました。ボスはJorge(ホルフェ)とMaria(マリア)のWボス体制。ホルフェはNIHのグラントを握る?(と本人は言ってましたが)剛腕リーダー、一方マリアは穏やかな調整役。二人はまるで漫才コンビのように絶妙なバランスでラボを仕切り、私たちポスドクはその下で日々実験に追われ、それでも仲間と励まし合いながら、研究の荒波を乗り越え、何とか4年間を完走できました(同じ実験を26回繰り返し結果が出なかった時は、さすがに心が折れましたが、、、なんとかなるもんです笑)。
ニューヨークと聞いて思い浮かべるのは、「物価爆高」「家賃高騰」「銃社会」…確かにその通り。でも、私たちはRoosevelt Islandというマンハッタンのすぐ横にある平和の楽園島に住んでいました。本当に住みやすく日本人も数多く住んでおり、私たちはその楽園のCornellの寮に住んでいました。このCornellの寮がタワーマンションで、ルーフトップからのマンハッタンビューは最高すぎてお金が取れちゃうレベル(寮の横にホテルのルーフトップバーがあるのですが、それよりも眺めがいい!)。NY観光の穴場スポットですのでマンハッタンを訪れた際には是非(侵入できるかは自己責任で…)。
4年間住めば、観光スポットは行き尽くした…かと思いきや、NYは毎日が旅行みたいな街。ブロードウェイ、ウォール街、美術館に5番街…。そんな魅力的な街に石沢教授・木村准教授・田中病院講師が遊びに来てくださり、NYのfancyなレストランで外科飲み会を開催。あれは本当に楽しい夜でした!また行きましょう!
研究生活以外に何をしていたかというと、意外に自由時間も多いので、私はNYで料理とバスケットボールに挑戦。
料理は、ほぼ初心者から始めたのに、なんと最終的にはお節料理まで自作できるように!(証拠写真載せときます笑)
バスケは…というと、完全初心者のアラフォーが同じポスドク仲間や駐在の銀行員や商社マンたちとコートを走り回り…腰・膝を痛めて終了(笑)。でも、この交友関係は一生モノ。仕事でも何かコラボできそうで、人生って面白いと感じております。
他にも宝物のような思い出がたくさんあります(長女の出産、NYのクリスマス、ナイアガラ、モニュメントバレー、カリブ海…)。でも一言でまとめるなら、やっぱり 「留学してよかった」 これに尽きます。
最後に、4年間も臨床から離れてアメリカに送り出してくださり、あたたかく迎え入れてくださった肝胆膵外科・消化器外科の先生方に、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。この貴重な経験は、私にとって人生の大きな財産となりましたし、ぜひ多くの後輩たちにも同じように海外での挑戦を経験してほしいと心から思います。今後、留学を目指す仲間には全力でサポートしていく所存です。