運営委員長ご挨拶

 昨今、最先端の研究開発を行う上で、最新かつ高度な実験機器が必要不可欠となっています。しかし、高度な実験機器は一般的に非常に高額であり、個々の研究室の予算では購入や維持ができない場合がほとんどです。その様な制約の中で生産性を保ち、国際的にハイレベルな研究を行うために、学部内、大学内、さらには大学の枠を超えて高度な実験機器を利用できる体制を構築することが重要です。

 共同実験機器施設は最新の高度機器を導入することでハード面での研究支援体制を行なっています。一部の機器に関しては、オープンファシリティ化をして、研究機関を超えた相互利用の促進を行なっています。具体的には、学部間の垣根を越えて高度機器を相互利用する大阪公立大学の研究基盤共用センター構想に参画しています。加えて、文科省の平成31年度「先端研究基盤共用促進事業(研究機器相互利用ネットワーク導入実証プログラムSHARE)」、阪奈機器共用ネットワーク、クライオ電顕ネットワークにも参画し、近隣大学だけでなく全国の研究者に機器を開放しています。大学や研究機関だけでなく企業の利用も積極的に受け入れています。

 さらに、共同実験機器施設では、ただ単に最新の高度機器を充実することだけでなく、兼任の教員と専属の職員がソフト面でも研究支援体制の充実を図っています。具体的には専門の技術職員を配置し、技術指導や受託解析、機器管理を行っています。教員は、より専門性の高い技術指導や受託解析を行っています。現在、モノクローナル抗体受託作製、分子生物学実験支援等も請け負っています。
 ハードとソフトの両面から研究者の支援を多角的に行い、研究者が先端技術を取り入れた研究を効率的に行える様努めております。

 今後とも、皆様の研究に少しでもお役に立てるように努力して参る所存ですので、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

共同実験機器施設長 植松 智