お知らせ
2025年1月2日
[研究成果] NMNがウシ卵子の発生能を改善することを発見しました
不妊治療において卵子の体外成熟技術は重要ですが、体外で育った卵子は体内由来のものに比べて発生能が低いという課題があります。本研究では、NAD(H)の前駆体であるニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)を成熟培地に添加することで、卵子の質が向上することを明らかにしました。NMNの添加により卵子内のNAD(H)レベルが上昇し、それに伴ってミトコンドリアの機能に関連する遺伝子群の発現が変化しました。その結果、ミトコンドリアの活性が高まり、エネルギー源であるATP産生量が増加する一方で、細胞にダメージを与える活性酸素(ROS)が減少しました。さらに、減数分裂時における染色体の分配異常(染色体ラグ)も抑制されることが確認されました。これらの相乗効果により、体外受精後の胚盤胞への発生能が有意に改善しました。本成果は、生殖医療における新たな技術展開に貢献することが期待されます。
Shu Hashimoto, Udayanga Gamage, Yuki Inoue, Hisataka Iwata, Yoshiharu Morimoto
Nicotinamide mononucleotide boosts the development of bovine oocyte by enhancing mitochondrial function and reducing chromosome lagging. Sci Rep. 15:310, 2025