教室の紹介

運動生体医学教室の歴史

本教室の歴史は、1964年(昭和39年)に開設された、大阪市立大学保健管理センターに始まります。現在は、2022年4月の大阪市立大学・大阪府立大学の統合に合わせて名称が大阪公立大学健康管理センターに変わりました。同センターは、現在まで本教室が校医・産業医を担当し、University Healthの中心拠点として、約16,000名の大学生・大学院生と約4,000名の本学教職員の健康を守る重大な使命を担っています。さらに、これらの役割と並んで、全国では数少ない『医学部・医学研究科に属する内科系の運動医学講座』として、2000年(平成12年)に大学院医学研究科都市医学講座の運動生体医学教室が誕生しました。本教室は、阿倍野キャンパス(医学部)と杉本・中百舌鳥など他のキャンパスの中間的な位置に属しており、その強みを生かして本教室独自の活動を展開しております。教育面では、医学部対象の呼吸生理学と全学部対象の共通教育科目「現代社会と健康」の講義、及び医学研究科の修士・博士課程の大学院生に対して、運動医学に関する研究指導を行っております。

運動医学・体力医学とは、スポーツが身体に及ぼす影響を医学的立場から研究することで、小児から高齢者、一般人からアスリートに至るまで、競技力向上、健康支援や疾患予防と治療に貢献する多彩な学問分野です。本教室では、都市医学講座の一部門として、現代の都市に生きる一般市民の日々の健康を考える上で大切な『運動』と『食』との関係を取り上げています。特に、現代人の食欲制御不良に焦点を当てて、脳神経系・内分泌系からみた食欲・食行動の生理学的基盤及びそれらと運動との関連性を、神経内分泌学的解析や脳機能解析などを使って研究しており、マスメディアにも取り上げられました。これらの基礎的研究の知見が、未病段階や各種疾患において日常診療の現場に還元できるような橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)を行い、産学連携や国際交流をさらに深めて、研究成果を世の中に発信していくことが我々の使命と考えております。