9. 改変GFPを用いた微生物細胞の損傷検出法および分子動態解析法の開発とその応用

 近年、オワンクラゲ由来のgreen fluorescent protein (GFP)や類縁の蛍光タンパク質は未知のタンパク質の細胞内局在性の解析のためのタグとしてだけではなく、Caイオン、pH(プロトン)、リン酸化、GTP、プロテアーゼ活性、ハライドイオン、酸化還元状態などの様々なシグナルに応答するように遺伝子工学的手法により改変され、生きたままの細胞で破砕を経由せずリアルタイムでモニタリングするためのセンサーとして広く利用されています。

 こうした改変型GFPは微生物における細胞損傷や生理学的現象を解明するためのツールとしても適用できるとものと考えられます。そこで微生物制御研究センターではGFPを基盤とするセンサーを開発し、これを用いてストレス等の動的な環境変化に対して細胞内の状態を視覚的に検出することを試みています。