研究紹介
3次元地質モデリング
3次元地質モデル(地下の地質構造を表した3次元モデル)は,環境保全・都市開発・資源開発・廃棄物処理・防災などに関する分野で必要とされています.情報科学的手法を用いて3次元地質モデルを構築するためには,地質学の論理を定式化する必要があります.この定式化により,地質情報を正しく保存・利用することが可能となります.また,これらの研究により,他分野で有効に活用できる3次元地質モデルを理解しやすい形式で提供できるようになります.
3次元地質モデルの可視化


- 可視化システムの例(Nemoto et al., 2020)

参考文献:
- 升本眞二・塩野清治・根本達也・野々垣進(2013)三次元地質モデルの基本要素と地質構造の論理モデル. 地質学雑誌, vol.119, no.8, pp.519-526.
- 根本達也・升本眞二・塩野清治・野々垣進(2013)地質構造の論理モデルを用いた三次元地質モデリング:データ処理と可視化. 地質学雑誌, vol.119, no.8, pp.527-536.
地すべり危険度評価
日本は急峻な地形や多雨・地震などの自然条件により地すべりや斜面崩壊が発生しやすく,人的・経済的被害が頻発しています.地すべりや斜面崩壊の危険度評価は,災害リスクの把握,防災対策や土地利用計画の策定,住民の安全確保に不可欠です.地すべり発生の素因である地質構造を数値表現する手法や,崩壊斜面の数学表現方法,機械学習などの各種手法を用いた危険度評価について研究しています.
参考文献:
- 根本達也・藤田 崇・升本眞二・ベンカテッシュ ラガワン・塩野清治(2001)地形面と地層面の関係の数値表現-数量化理論第Ⅱ類を用いた地すべり地判別への適用ー. 情報地質, vol.12, no.2, pp.102-103.
- 植田 允教・根本 達也・サムブッダ ダル・ベンカテッシュ ラガワン(2026)地形面の変化に基づく斜面崩壊地形の数学表現. 第37回日本情報地球学会講演会 講演要旨集, pp.3-4.
- 植田 允教・前田 敦・根本 達也・サムブッダ ダル・ベンカテッシュ ラガワン(2026)階層分析法とクラスタリングを用いた地すべり危険度マッピング. 第37回日本情報地球学会講演会 講演要旨集, pp.53-54.
リニアメントの抽出
リニアメントは断層や節理などの地質構造を反映する地形の線状特徴であり,地下構造や地殻変動を把握する重要な手掛かりになります.リニアメントの抽出は,地すべりや地震などの自然災害リスク評価,地下水・鉱物資源探査,土木・防災計画など幅広い分野で活用されるため,高精度かつ効率的な抽出手法の開発が求められています.
参考文献:
- Raghavan V., Masumoto S., Shiono K., Sakamoto M. and Wadatsumi K. (1993) ARIES: A subroutine for Automatic Relief Image Enhancement and Shading. Geoinformatics, vol.4, no.2, pp.59-88.
- 中尾大樹・升本眞二・根本達也(2019)数値標高モデルを用いた地形特徴とSegment Tracing Algorithm (STA)法に基づくリニアメント抽出法の開発. 情報地質, vol.30, no.3, pp.87-100.
- 根本 達也・中村 公亮・サムブッダ ダル・ベンカテッシュ ラガワン(2026)ensor Votingとハフ変換を用いた地形特徴量によるリニアメントの抽出. 第37回日本情報地球学会講演会 講演要旨集, pp.55-56.