最近の研究成果 (3)
3-1. マクロファージの CpG-DNA 応答を増強する抗菌ペプチドの作用特性解析
抗菌ペプチドは幅広い生物種に存在する生体防御因子であり、微生物感染に対する自然免疫応答において重要な役割を果たします。抗菌ペプチドの多くは直鎖状α-ヘリックス構造であり、正電荷領域と疎水性領域を有する構造的特徴を持ちます。一方、一部の抗菌ペプチドは殺菌作用に加えて宿主免疫の活性化を介して、より高い生体防御効果を発揮します。我々は、α-ヘリックス型抗菌ペプチドKn2-7が、細菌特有の核酸構造である非メチル化CpG DNA (CpG-DNA) によるマクロファージ活性化を顕著に増強することを見出しました (Nishihara et al., 2020)。 また、CpG-DNAはエンドソーム内の自然免疫受容体であるToll様受容体9 (TLR9) に認識されますが、蛍光標識CpG-DNAを用いた解析から、Kn2-7がDNAと複合体を形成してその細胞内への取り込みを促進することで、刺激応答を増強することが明らかになりました。(Nishihara et al., 2021)。さらに、ペプチドの性質解析により、CpG-DNA刺激応答の増強には、α-ヘリックスペプチドの高い両親媒性が重要であることを明らかにしました (Nishihara et al., 2024)。
