研究内容

紫キャベツの色素生合成経路の解明

CabAnthoBio

食品添加物用天然色素として頻用される紫キャベツ色素はアントシアニンの一種で、非常に安定で鮮やかに発色する。このアントシアニンは基本骨格であるシアニンジンが 3 分子のグルコースと 2 分子の芳香族有機酸で就職されていることが知られている。当研究室では紫キャベツアントシアニンがどのようにして植物内で合成されるかについて研究しています。

   


黒大根の黒色色素の解析

黒大根

黒大根(一部ではカラス大根とも)は可食部が黒い大根です。表皮だけが黒色ですが、この黒色色素は植物メラニンの一種と考えられますが、その詳細はわかっていません。現在黒色色素の正体を解明すべく研究をしています。

     


ペプチドを介した防御応答メカニズムの解明

 植物は固着生活を営むため、病原菌や害虫から逃げることができません。その代わり、外敵の存在を敏感に感じ取り、複雑で精巧な防御機構を発達させてきました。植物の細胞が外敵を認識すると、その情報を素早く周辺の細胞や離れた組織に伝えます。その結果、植物全体で防御反応が開始され、抗菌物質や消化阻害物質などを生産して更なる被害の拡大を防ぎます。私たちは被害情報を周りの細胞に伝達する短いペプチド(DAMPs: damage associated molecular pattern)を研究対象にしています。モデル植物のシロイヌナズナで研究が進んでいますが、多くの植物に共通して存在するペプチドもありますが、特定の植物種でのみ見つかっているペプチドもあります。実用植物でペプチドの研究が役立てられることを目指して、マメ科植物やナス科植物を用いた研究を進めています。

ペプチドの働き


植物工場用品種の育成

 大阪公立大学は完全人工光型植物工場の研究拠点として活動しています。完全人工光型植物工場では、クリーンルーム仕様の建物(部屋)の中で野菜生産を行うため、天候に左右されずに安定した周年栽培が可能です。また、多段式の栽培装置で養液を循環させて育てるため、土地や水資源の有効利用が可能です。近年スーパーなどでの取り扱いが増え、食べたことのある方も多いと思います。しかし、生産されている野菜の約8割がレタス類となっており、品目の拡大が課題となっています。これまでの野菜品種は露地やハウスでの栽培に適したものが選抜されて育成されていますので、味や育て方が植物工場での栽培に向いているわけではありません。私たちは、植物工場での生産に適した野菜品種の育成を目指しています。

   

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