お知らせ

2023年11月22日

  • 報告
  • 地域連携副専攻

【報告】アゴラセミナーⅠaでフィールドワーク(十津川村_西川豆名月踊り&奥大和 心のなかの美術館)を実施しました︕

【授業の概要・目的】

 地域連携副専攻(CR副専攻)のコア科目であるアゴラセミナーⅠaでは、それぞれの課題に沿って調査・フィールドワークを行います。今年度の地域・文化資源クールでは、「地域文化資源によるコミュニティの賦活」をテーマに、文化コミュニティと地域との関係を明らかにし、地域文化資源の潜在的な可能性を知ることを目的に、様々な取り組みを学修しました。

担当 中川 眞先生(都市科学・防災研究センター 特任教授)

   遠藤 徹先生(工学研究科 准教授)

【フィールドワークの概要】

 20231028日(土)~29日(日)にアゴラセミナーⅠa受講生5名により、奈良県吉野郡十津川村、吉野町、下市町、下北山村でフィールドワークを実施しました。

 28日(土)は、「十三夜 西川豆名月踊り」1に参加し、現地の方と一緒に踊りを体験しました。

 29日(日)は、「MIND TRAIL奥大和 心のなかの美術館」2に参加し、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を含む吉野町や、下市町、下北山村を歩きながら、作品の魅力を自然と共に感じました。

1 「十三夜 西川豆名月踊り」

 「十津川の大踊」は十津川村内の小原、武蔵、西川の3つの地域に伝わる民俗芸能で8月のお盆に、浴衣姿の人たちが色とりどりの房をつけたバチで太鼓を叩いたり、切子灯籠を下げた笹竹や扇を持ったりしながら踊るというものです。西川地区では「豆名月」の十三夜にも、秋の豊穣を祝う踊りとして開催されています。

2 MIND TRAIL奥大和 心のなかの美術館」

 奈良県南部・東部に位置する奥大和を舞台に長時間かけて歩き、雄大な自然を作品を通して体験する唯一無二の芸術祭です。      

 詳しくはこちらより https://mindtrail.okuyamato.jp/

【参加学生の感想】

<学生1>

 50代以上であろう人たちが中心となって、小学生を指導しながら、踊りを率先して行う。若年層の人たちは自分の子どもたちが指導されるのを微笑ましく見ながら、踊る。その様子を見ていると、ただ踊りを楽しんで行うために行われているのではなく、踊りが地域コミュニティ形成のためのツールとして利用されているという側面を感じた。踊りという魅力的なコンテンツの力を利用することで人が集まることを可能にしているのだと感心した。本来の豆名月の踊りの目的には、このようなことは考えられていなかったかもしれないが、地縁的な繋がりが失われている現在であるからこそ、このような副産物に大きな価値が見出せた。

<学生2>

 十津川村のフィールドワークについて、自分となじみのない場所での地域のイベントに参加することが初めてだったので少し緊張していましたがいい経験になったと思います。自分の地元とは違う地域の特徴がでた踊りに触れることができ、地域の文化を知ることができたのでよかったです。今回の盆踊りのように地域ごとに特徴が違うものをこれからも発見できたらいいなと思いました。 奥大和マインドトレイルについて、私は普段アートに触れる機会が少ないので芸術を理解できる少し不安でした。アートと言ったら美術館のような室内の場所で見るという印象があったので今回の屋外で山を登りながらアートを体験するという経験は初めてでとても新鮮でした。山の中の空気に触れながらアートを見たので室内で視覚だけでアートを感じるのとは違い、体全体でアートを感じることができました。

<学生3>

 今回の十津川村フィールドワークについて、とても楽しかったし、貴重な経験になったと思いました。特に2日目の「奥大和 心のなかの美術館」では、自然に囲まれたアートを見に行くという日常では滅多にしないことができてとても楽しかったです。手や足を模したアートの、木が人を支えるのではなく人がむしろ木の代わりを務めるという発想は面白いと感じました。瀞峡でも快晴の中きれいな景色を見て、水に触れることができて良かったです。その傍らで潰れた旅館やかつて観光地だった跡を見ると、少し寂しい気持ちにもなりました。観光地として有名になりすぎてもゴミの問題等が出ると思うし、これらをどうしていくのか考えないといけないなと思いました。

<学生4>

 十津川村の皆さんが暖かく迎えてくれて、踊りもわかりやすく教えてくれたのが嬉しかったです。大人の方はもちろん子供たちも皆当たり前のように踊っているのを見て、この村にとってこの踊りは当然のようにあるし、大切に受け継がれているのだと感じました。素敵です。 また、「奥大和 心のなかの美術館」では、大自然とアートのコラボレーションを存分に味わいました。QRコードで読み取るのが多くて、もう少し現地に行った人しか味わえないことをしてほしいなと思ったり、急に怖い作品現れるのは反則だと思ったり、山登りがしっかり山登りできついなと思ったりしました。ただ自然とアートを組み合わせることで新たに足を運んでもらったりする取り組みは素晴らしいと思います。他の場所も行ってみたいと思いました。

<学生5>

 地域の人々との盆踊りを通じて、伝統が継がれてきていることをひしひしと感じた。年配で盆踊りに精通している方が、小さい子供たちに教えてながら踊っている光景を見かけた。そこから盆踊りが定期的にそして継続的に奈良の十津川村で行われているのは、こういった伝承がしっかりとされているからということが分かった。そういった学びは説明を座学で聞いているだけでは得ることができず、FWだからこそできることなので、貴重な体験をさせてもらったと思う。 「奥大和 心のなかの美術館」は、自然と融合した形でアート作品を創作・展示している形式が私にとっては新鮮で、楽しみながら鑑賞した。また地域創生や町おこしとアートの関係について学ぶきっかけとなった。アートが地域にとってかなり重要な役割を担っていることを実感することもできたFWであった。

西川豆名月踊りの様子 MIND TRAIL奥大和の様子
西川豆名月踊りの練習 MIND TRAIL奥大和 心のなかの美術館