お知らせ
2024年1月24日
- 報告
- 地域連携副専攻
【報告】アゴラセミナーⅠbで神戸市フィールドワークを実施しました︕
【授業の概要・目的】
地域連携副専攻(CR副専攻)のコア科目であるアゴラセミナーⅠbでは、それぞれの課題に沿って調査・フィールドワークを行います。今年度の防災クールでは、「歴史的街並みを有する地域における津波防災とまちづくり」をテーマに、防災施設や歴史的街並みの現状を学び、災害リスクの高い地方都市における持続可能なまちづくりの課題と解決手法を考察することを目的に、様々な取り組みを学修しました。
担当 生田 英輔先生(現代システム科学研究科 教授)
杉山 正晃先生(都市科学・防災研究センター 特任助教)
【フィールドワークの概要】
2023年1月20日(土)に、受講生5名により、神戸市須磨区鷹取地区から長田区新長田地区、水道筋商店街、灘区六甲道地区にてフィールドワークを行い、阪神・淡路大震災後の震災復興事業について、それぞれの地区の専門家からお話しをうかがいました。
特に、六甲道地区で地元まちづくり協議会役員として復興を見届けてきた斉木久美子さんからは、『2024年1月1日の能登半島地震による建物倒壊や大規模火災の状況は、阪神・淡路大震災の当時の光景を見ているようであり、阪神・淡路大震災で得た「命を守る」教訓が活かされていない』と重みのあるお話をうかがい、参加した学生たちのような若い世代に震災の経験や教訓を語り継ぐ大切さを教わりました。
ほかに、灘区水道筋エリアにある商店街・市場に立ち寄り、水道筋商店街非公式案内人など多数の肩書をお持ちの慈憲一さんに、地域をまきこんだ商店街の活性化について多くの事例を紹介いただきました。その1つに灘中央市場では、災害時の延焼拡大を防ぐために設置している「まちなか防災空地」を利用して、「いちばたけ」と称した地域住民が自由に参加できるプランター型菜園が運営されています。農作業を通じて自然な交流が生まれ、新しいコミュニティづくりに一役かっています。
全国的に市場や商店街といった個人商店が衰退する中、このような取り組みを学ぶことは、地域連携に関わる副専攻を履修する学生にとって、地域力の充実・強化の大切さを知る良い機会となりました。