研究紹介

3Dディスプレイに関する研究

我々の開発している3Dディスプレイの特長は、特殊なメガネをかける必要がなく、非常に広い範囲から鮮明な立体画像を観察できることです。

通常のディスプレイの前面に、パララックスバリアと呼ばれる細かいスリットを配置することにより、ディスプレイからの光を、右目用と左目用に分離してそれぞれの目に集め、立体画像を観察できる仕組みとなっています。
カメラで撮影した観察者の眼の位置に応じて、ディスプレイ上の画像に処理を施すことで、両眼の位置がどこに移動しても常に立体画像を観察することができます。

 

3Dディスプレイの原理
3Dディスプレイの原理
3D表示の様子
3D表示の様子

空中ディスプレイに関する研究

空中ディスプレイは、何もない空間に映像を表示する技術です。

従来より、霧を用いたり、凹面鏡を用いた空中映像の形成技術がありますが、近年は再帰性反射を用いた空中像の形成技術が注目されています。

下の図は、その一つである二面コーナーリフレクタアレイによる空中結像の原理を示しています。光源の位置にディスプレイ装置を置くことで、空中に映像を形成することができます。

この空中像形成技術と3次元ディスプレイ技術を組み合わせて、3次元空中像を形成することができます。

 

DCRA
二面コーナーリフレクタアレイによる結像原理
multiDisplay
マルチプロジェクタを用いた空中3次元ディスプレイ

複眼内視鏡を用いた3次元パノラマに関する研究

消化管の診断を行うために、医療現場では内視鏡を用いた観察が行われています。しかし、視鏡は視野が狭いため、一度に消化管の全体形状を観察できないという難点があります。本研究は、ステレオ内視鏡映像から管の3次元情報の取得と内視鏡の動きの推定を行うことでつなぎ合わせを行い、菅全体の3次元情報を取得するものです。一度、管内に内視鏡を通せば、あとから視点を変えて何度も観察することができます。

消化管の3次元パノラマ化
3次元つなぎ合わせの様子