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2026年7月2日

【New publication】プラスチックリサイクルの障壁「色」を克服!着色剤をサイズで分別する新たな資源循環プラットフォームを開発

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現代社会に欠かせないプラスチックですが、そのリサイクルには「色」という大きな課題が存在します。従来のプラスチック製品は、樹脂に直接着色剤(顔料や染料)を分子レベルで練り込んでいるため、リサイクル時に色だけを取り除くことができません。その結果、様々な色が混ざり合って黒やグレーなどの低品質なプラスチックとして再利用される「ダウンサイクル」が避けられませんでした。

本研究ではこの課題を根本から解決するため、当研究室が先行研究(https://doi.org/10.1021/acsami.5c22439 https://www.omu.ac.jp/eng/lmnt/info/latest-publications/entry-118875.html)で開発した、シリカの前駆体である「ゾル-ゲル溶液」と「スプレードライ法(噴霧乾燥法)」を用いた技術を応用しました。カーボンドットだけでなく、市販の有機顔料や蛍光染料など多様な着色剤を、微小なシリカ(ガラス)の粒子内にカプセル化することに成功しました。このシリカ微粒子の緻密な殻(シェル)により、着色剤は250℃という高温のプラスチック成型加工にも耐える高い安定性を獲得します。

本技術の最大の特長は、着色剤の色ごとにシリカ微粒子の「サイズ」を変えておく(例えば、青色は大きな粒子、赤色は小さな粒子とする)という点にあります。この着色シリカ微粒子を用いたプラスチックは、リサイクル時に溶媒に溶かすことで、「透明なプラスチック樹脂」と「着色剤(シリカ微粒子)」に完全に分離できます。さらに、フィルター(ふるい)を通すだけで、サイズの違いを利用して複数の色を正確に分別・回収することが可能になります。

回収されたプラスチックや着色剤は品質が劣化しておらず、再び高品質な製品として何度でも再利用できます。また、最終的に廃棄される際も、加熱処理により内部の有機物を分解することで、無害なシリカ(砂の主成分)のみを自然界に返すことができます。

本成果は、色の混入による品質低下を防ぎ、高品質なプラスチック資源の完全な循環(サーキュラーエコノミー)を実現するための、非常に実践的で持続可能なアプローチを示すものです。

[論文情報]

Hirohisa Iwabayashi, Kenji Okada, Arisa Fukatsu, Ryohei Mori, Masahide Takahashi
Sustainable and recyclable polymer coloring system via size-tunable, pigment-encapsulated silica microspheres: enabling circular economy of plastics
Green Chemistry (2026).
https://doi.org/10.1039/d6gc02002j