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2026年7月28日
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動いて守る健康寿命! 寝たきりを予防するための大阪公立大学と大阪府・大阪市の取り組み /医学研究科 整形外科学 玉井 孝司講師
2026年7月16日(木)、大阪公立大学医学部主催の「市民医学講座」をあべのメディックスビル6階ホールにて開催しました。同講座は、「現代人と病気」というテーマのもと、病気の治療と予防についての知識を深めていただくことを目的に年数回開催しています。
今回のテーマは、「動いて守る健康寿命!寝たきりを予防するための大阪公立大学と大阪府・大阪市の取り組み」。
「自立して動ける」社会を目指した取り組みについて、医学研究科 整形外科学 玉井 孝司講師がわかりやすく解説し、約120人の聴講者が熱心に耳を傾けました。

PROFILE
玉井 孝司(たまい こうじ)

医学研究科 整形外科学 講師
専門:脊椎外科、整形外科一般
※所属は取材当時
日本の「平均寿命」と「健康寿命」のギャップ
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生まれてから死ぬまでの期間である「平均寿命」と、心身ともに自立して生活できる期間である「健康寿命」。WHO(世界保健機関)の発表によると、日本の平均寿命は83.7年、健康寿命は74.9年と、ともに世界1位ですが、2022年の厚生労働省のデータでは、平均寿命と健康寿命の間に女性で11.63年、男性で8.49年もの“不健康な期間”が存在しています。“不健康な期間”とは、誰かのサポートや介護を受けなければ生きていけない期間を意味します。
「動けない」が介護の大きな原因に、大阪の実情
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高齢者が介護を必要とする主な原因は以下の通りです。
1位:認知症(約17%)
2位:脳卒中 (約16%)
3〜5位:骨折・転倒(約14%)、高齢による衰弱(約13%)、関節疾患(約10%)
※2022年の厚生労働省のデータより
3位から5位の要因を合わせると、全体の約37%を占めており、3人に1人以上が頭や身体は元気なのに、動けない(自立移動困難状態)という理由で要介護状態に陥っています。2022年の大阪市のデータに絞って見てみると、自立移動困難状態が原因で要介護状態の男性は約37%、特に、女性では約65%と、とりわけ大阪市には不健康(要介護状態)な高齢者が多いというのが実情です。
また、2021年の厚生労働省の介護保険事業状況報告(年報)によると、大阪府は全国で最も要介護認定者の割合が多いとされています。さらに、2024年の厚生労働省のデータ(「第9期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」)によると、大阪市は被保険者が支払う介護保険料も全国1位です。
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家族や社会へ広がる影響
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動けなくなることは、本人や家族がストレスを感じて辛い思いをするだけではありません。脆弱性骨折による家族の経済的負担に関する研究データによると、骨折による介護をきっかけに、介護者の68.3%が転職やパートへの変更といった雇用形態の変更を余儀なくされており、仕事への支障を金銭換算すると年間約225万円と日本人の平均年収※の約半分もの損失につながるという2020年に実施した調査結果もあります。
※国税庁令和4年度民間給与実態統計調査より
介護を担う家族の収入減少だけでなく、国・自治体の介護保険費用の増大など、社会全体の負担にもつながるのです。 -
「動いて守る健康寿命」の大切さ
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このような課題を解決するため、大阪公立大学と大阪府・大阪市、そして企業が共創して取り組んでいるのが「WHERETOプロジェクト(World's Healthiest EldeRlies Enjoy their Time in Osaka project)」です。
このプロジェクトは大阪府・大阪市と共に、大阪府在住高齢者が自立移動困難状態に至る予防方法を確立し、健康寿命延伸や要介護・要支援状態回避につながる施策を共創することを目的としています。大規模アンケートなどにより自立移動困難状態に至る原因を追及し、科学的エビデンスを持った改善策の確立と実装を進めていきたいと考えています。
このプロジェクトから見えてきた大切な概念は、「フレイルの早期発見」と「ヘルスリテラシーの向上」です。
フレイルとは、年齢とともに、体や心のはたらきが少しずつ弱くなり、健康な状態から介護が必要な状態へ近づいている段階をいいます。フレイルは、早く気づいて適切な運動や生活改善などの対策をすることで、予防し、健康な状態へ引き返せるのが大きな特徴です。
ヘルスリテラシーとは、健康に関する情報を集めるだけではなく、それを理解し、自分に必要な情報か見極め、活用する、つまり健康情報を「使いこなす力」をいいます。教わるだけでなく、自分で選んで使えるようになることが目標です。「寝たきりになるのが怖いから、転ばないように家に閉じこもる」という選択は、実は逆効果です。転倒を恐れて家に閉じこもるのではなく、「安全に、動き続けること」こそが、健康寿命を守る鍵です。

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「Where To?(今日はどこに行こうかな?)」
本学では、朝起きたときに、どこかへ出かけるワクワク感を持てる高齢者を増やし、「世界一健康な高齢者が住む街・大阪」を目指し、大阪府・大阪市などと連携してさまざまな取り組みを進めています。
大阪公立大学WHERETO project のYouTubeチャンネルでは、「ウォーキングから始める運動習慣(筋力アップにつながるウォーキング方法)」、「安全に運動を楽しむための姿勢改善術」、骨粗鬆症に伴うフレイル発症リスクの啓発を目的として構成されたドラマ「人生を楽しく生きる秘訣」などの動画を紹介しています。
こちらもぜひご視聴ください。
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