研究内容
初期胚の「ミトコンドリア」を改善する
受精卵が着床可能な状態(胚盤胞)まで育ち、新しい命として出発するためには、膨大なエネルギーが必要です。このエネルギーを休むことなく作り続けているのが、細胞内の「ミトコンドリア」です。
しかし、加齢や酸化ストレスなどの影響でミトコンドリアの機能が低下すると、初期胚はエネルギー不足に陥り、成長が止まってしまいます。
当研究室では、初期胚のミトコンドリア機能を高める培養手法の開発に挑んでいます。
- ダメージ保護: 酸化ストレスからミトコンドリアを守る
- 機能強化: ミトコンドリアのエネルギー生産効率を高める
私たちの目標は、ミトコンドリアの力を最大限に引き出す最適な培養環境を確立することです。この研究成果は、将来的に不妊治療における受精卵の質を向上させ、着床率の改善に大きく貢献することが期待されます。
両親の染色体統合のメカニズム解明
受精とは、卵子に精子が進入した後に両親の染色体(DNA)が一つに統合される、極めて緻密なプロセスです。この「統合」にわずかでも異常が生じれば、受精卵の成長は止まり、新しい命へと繋がる道は閉ざされてしまいます。
当研究室では、受精卵のありのままの姿を捉えるライブセルイメージング技術と、現象の裏側に迫る分子生物学的な解析を武器に、以下の課題に挑んでいます。
- 動態解析: 染色体統合の異常は、いつ、どのように発生するのか?
- 運命追跡: 異常が生じた受精卵は、その後どのような経過をたどるのか?
- 原因究明: エラーを誘発する根本的な要因(分子メカニズム)は何なのか?
私たちは、受精卵の中で起きている現象を一つずつ紐解くことで、染色体異常の発生を抑えるための技術基盤を構築し、生殖医療の発展に貢献することを目指しています。