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2025年11月12日
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第148回生物科学フロンティアセミナー :2025年11月17日(月)15:30~
細胞外小胞エクソソームの機能解明と医療への応用
演者:華山 力成 先生 (金沢大学医学系免疫学/WPI ナノ生命科学研究所 教授)
日時:令和7年11月17日(月)13:30より
場所:中百舌鳥キャンパス A13棟 3階 323室
エクソソームは、多様な細胞から放出される細胞外小胞の一種で、さまざまな細胞応答を引き起こします。直径約100nm の脂質二重膜で囲まれ、分泌細胞由来の膜タンパク質や細胞質成分を含みます。その構成は細胞や疾患ごとに異なるため、血液や尿など体液中のエクソソームを解析することで、病気の早期発見や予後診断への応用が期待されています。かつてエクソソームは、不要な細胞内成分を排出する機構と考えられていました。特にアルツハイマー病やパーキンソン病では、原因タンパク質がエクソソームを介して細胞外に放出され、疾患の発症に関与するとされています。一方、エクソソームは標的細胞へ分子を運搬し、細胞間の情報伝達を担う重要な役割も果たします。例えば、免疫細胞間の活性制御や、がん細胞由来エクソソームによる転移促進作用などが確認されています。また、間葉系幹細胞が放出するエクソソームには抗炎症・抗線維化作用があり、再生医療や美容分野でも大きな注目を集めています。
エクソソームは細胞間メッセンジャーとして重要な役割を担いますが、その全容はまだ解明されていません。私たちは最先端の解析技術を駆使し、エクソソームの生理・病態生理機能の解明に取り組むとともに、高純度精製法や高感度定量法、機能改変技術の確立を進めています。これにより、エクソソームを活用した革新的な予防・診断・治療法の開発を目指しています。本講演では、これらの研究成果をもとに、エクソソームの機能解明と医療応用の可能性について詳しく解説いたします。
(世話人・連絡先:中瀬生彦、藤原大佑、道上雅孝)
パンフレットは↓