プロジェクト/Research Project
↓の研究プロジェクトに参画して、いろいろな分野の研究者と広く研究活動を展開しています。
文部科学省科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 2021年~2025年度
「極限宇宙の物理法則を創る」-量子情報で拓く時空と物質の新しいパラダイム
領域代表:高柳匡(京大基研)
[計画研究D02班] 量子情報を用いた量子多体系の制御とテンソルネットワーク(21H05191)
代表:奥西巧一(新潟大→大阪公立大), 分担:上田宏(阪大QIQB), 桂法称(東大院理), 原田健自(京大情報),堀田知佐(東大総合文化)
量子スピン系や冷却原子気体系、トポロジカル物質など量子多体系の織り成す多彩な物理やダイナミクスを理解することは,凝縮系物性に残る本質的な課題のひとつです。そして,そのような量子多体系の精密な理解の鍵となるのが量子エンタングルメントの定量解析です。とくに,テンソルネットワーク(TN)法はそのための極めて実践的なフレームワークを提示するだけでなく,理論的に大変興味深い量子多体状態の記述法も提供します。さらに,テンソルネットワーク法の一つであるエンタングルメントくりこみ群とゲージ重力対応の笠-高柳公式との密接な関係が見出され,量子多体系やテンソルネットワークと量子情報や量子重力との境界領域の物理には、様々な分野の研究者からの大きな注目と期待が集まっています。D02班では、これまで凝縮系物性では見過ごされがちであった量子情報の操作論的側面に着目し,テンソルネットワーク法による量子状態の系統的制御機構を解明するとともに,それをTN法のアルゴリズム開発にも応用し,高次元・臨界系なども解析可能なTN法へと刷新することをめざします。さらに,これらの進展に立脚して量子多体系のダイナミクスに迫ることで,その背後にある数理構造を抽出し,量子情報の時代にふさわしい基礎学理を構築することも大きな目的です。また,D02班の研究の進展を本領域の他班と共有・連携して分野の枠を超えた研究展開をはかり,例えば,物性実験系を念頭においた疑似的量子重力現象の提案やその解明などで,実証面からの極限宇宙の基本法則の解明に貢献することもめざします。
JST/CREST 「量子フロンティア」
量⼦・古典の異分野融合による共創型フロンティアの開拓
テンソルネットワークの媒介する量子・古典融合(JPMJCR24I1) 2024〜2029年度
代表:上田宏(阪大QIQB), 主たる分担者:奥西巧一(大阪公立大), 諏訪秀麿(東大院理)
本研究では、確率論的テンソルネットワーク縮約ライブラリの開発、テンソルネットワーク構造探索アルゴリズムの統合、およびその大規模並列化を実現し、ハイブリッド量子計算の時代に対応したテンソルネットワーク法を構築します。また、それを基盤にした物性物理における量子多体系のシミュレータ開発、さらに、量子計算実機も組み合わせた量子活用性の実現も目指します。