執筆書籍の紹介
2025年11月23日
阿久井康平編著『橋から読む近代の都市デザイン ー大大阪を彩る橋図鑑ー』(鹿島出版会)
阿久井康平編著『橋から読む近代の都市デザイン ー大大阪を彩る橋図鑑ー』(鹿島出版会)
今から100年ほど前の1921年に大阪市では「第一次都市計画事業」が実施され、150ほどの橋が市街地に架設された。
この事業には、大阪市役所の技術者・堀威夫や建築家・武田五一らが一貫して関わり、橋から都市景観、都市デザインをどのようにとらえ、実現していこうとしていたかという様相の一端を捉えることができる。
本書では、大阪市の橋に関する先達の研究蓄積を礎に、これまで未公表の「第一次都市計画事業」による橋の図面や写真の収集を続け、大阪市の協力、許可を得ながら一冊の図集としてとりまとめている。
当時の事業から100年余りがすぎ、水辺空間はますます注目され、橋も新たな形として利活用されるようになっている。
当時の様相を残した橋もあれば失われたものもある。
本書は、今後の架け替えの機会などに際する資料としても役立つと思われる。
第1部は総論とし、東京・横浜・名古屋・神戸における都市計画事業による橋との比較や、大阪の橋のデザイン的側面だけでなく、関与した人物のデザイン思想まで掘り下げて考察している。
第2部は約150の橋を1頁1橋ずつ図面、写真、諸元を掲載、図解し、図集としてとりまとめている。
目 次
【第1部】
第1章 近代の都市デザインと橋のかかわり
第2章 近代の都市計画事業に伴う都市スケールでの橋の架設と展開
第3章 大阪市の橋の構造形式にみる空間的展開
第4章 大阪市の橋の意匠にみる空間的・時間的展開
第5章 橋のデザインに関わった技術者・建築家と都市デザインへの昇華
【第2部】 図集
大川(旧淀川)/堂島川/土佐堀川/東横堀川/西横堀川/長堀川/道頓堀川/木津川/江戸堀川/京町堀川/阿波堀川/海部堀川/薩摩堀川/立売堀川/堀江川/天満堀川/高津入堀川/難波入堀川/鼬川/百間堀川/聖天川/正連寺川/尻無川/境川運河/西堀運河/七瀬川/猫間川/その他/陸橋
判型体裁 : B5判並製・300頁程度・白黒
予価 : 3,000円+税
刊行予定 : 2026年1月20日予定
ISBN : 978-4306073777
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