採択プロジェクト

2026年3月31日

  • 設立支援

大都市における新しい都市社会政策を構想する共創プラットフォーム形成

プロジェクト名

大都市における新しい都市社会政策を構想する共創プラットフォームの形成

代表者

川野 英二(文学研究科)

共創メンバー

【学内】

氏名 所属
菅野 拓 文学研究科
垣田 裕介 生活科学研究科
五石 敬路 都市経営研究科

【学外】

  • 大阪市西区役所
  • 大阪市西成区役所
  • 特定非営利活動法人 recip
  • 特定非営利活動法人 SEIN

活動内容

2025年度は、「共創型都市社会政策を構想するプラットフォーム形成事業」として、行政・住民・NPO・大学が協働し、都市課題を共有し解決策を検討する枠組みづくりに取り組んだ。本年度は、対面型の協働実践を基盤としつつ、オンライン熟議の可能性を組み合わせる試行を行った。 大阪市西区では、6月、11月、1月の区政会議に参加し、行政、地域住民、大学関係者、学生が集まる場で議論を行った。防災や地域コミュニティの活性化などをテーマに、多様な立場から課題認識や実践事例が共有された。大学は学生参加を通じて若い世代の視点を提示するとともに、議論の論点整理や課題の可視化を担い、対話を深めることに貢献した。

大阪市西成区では、学生とともに産官学連携プログラムに参画し、現地フィールドワークおよび統計分析を実施した。地域の社会課題を把握し、解決策を提案・報告するプロセスを通じて、行政・地域との協働関係を強化した。 並行して、インタビュー、アンケート、統計分析を行い、今後の共創展開に向けた基礎データを整理した。 さらに、対面の議論を補完する形で、「デジタル民主主義」の手法を活用したオンライン・プラットフォームを試行的に構築した。西区では「不登校」「子育て」をテーマに住民から意見聴取を行い、議題設定段階からの参加型熟議の可能性を検証した。これらの取り組みにより、対面とオンラインを接続する共創型熟議の基盤を整備した。

活動内容を発表する川野教授

川野 英二教授

活動成果

本支援の成果は大きく三点に整理できる。

第一に、行政・住民・大学が継続的に対話する協働関係を具体的に形成できたことである。西区の区政会議や西成区での連携事業を通じて、地域課題を共有し、立場を超えて議論する実践的な場が確立された。

第二に、現場調査とデータ分析を組み合わせた課題把握の手法を確立できた点である。学生がフィールドワークに参加し、分析結果を提案として提示するプロセスを構築したことは、教育的成果と政策形成の両面で意義があった。

第三に、オンライン熟議の基盤を試行的に整備できたことである。住民からの意見聴取を通じて、時間や場所の制約を超えた参加の可能性を確認できた。オンライン上で議題設定から熟議までを行う仕組みを構築できたことは、当初計画を超える成果であった。

以上により、対面とオンラインを組み合わせた持続可能な共創モデルの萌芽を形成することができた。

概念図

概念図

今後の活動計画

2026年度は、これまでの試行を踏まえ、オンラインによる共創型熟議プラットフォームの実装段階に移行する。大阪市西区ほか複数の自治体を対象に、行政・住民・NPO・大学が継続的に参加する地域共創フィールドを立ち上げ、対面型地域会議とオンラインプラットフォームを並行運用する。科研費等の外部資金を申請するとともに、自治体からのブロードリスニング業務受託を目指し、事業拡大を図る。

2027年度にはフィールドを拡張し、参加者層を広げるとともに、熟議から抽出された課題を行政施策への反映または共同事業化へと接続する。外部資金を獲得し、持続可能な運営体制を確立する。

事業化が達成された場合、行政・住民・大学が協働して課題を発見し解決策を形成する制度的枠組みが確立する。対面とオンラインを接続した参加型政策形成モデルが定着し、若手研究者の育成と学際的連携が進展することで、大学の都市シンクタンク機能が具体化する。これにより、社会課題の発見から実装・評価までを循環的に行う都市政策モデルの確立を目指す。