ニュース

2025年11月14日

犬肝細胞癌における発癌遺伝子や免疫細胞組成に関する論文が公開されました

田中利幸らの研究グループは犬の肝細胞癌における発癌遺伝子や免疫細胞組成について調べました。その結果はPRC1, CDCA3, and CDC20 are upregulated and Treg numbers are decreased in canine massive hepatocellular carcinoma」という題名で BMC Veterinary Researchで公開されました。

プレスリリースはこちら

犬肝細胞癌の発癌には肝硬変が関与していません。また再発や転移も少なく、ヒトとは発癌機序や予後が異なります。そのため、ヒト肝細胞癌とは発現遺伝子が異なる可能性があると考え、遺伝子発現量の変化を調べました。犬肝細胞癌において発癌遺伝子と考えられる遺伝子はヒトと共通していました。CIBERSORTで免疫細胞組成を調べたところ、犬肝細胞癌はTregの発現が減少しており、ヒトとは異なる傾向を認めました。今回の研究ではTreg発現量が少ないことが犬肝細胞癌の予後に影響を及ぼしている可能性を示しました。

田中BMC