修学上の合理的配慮・環境整備の例
※個別具体的な合理的配慮の例として、過去の対応事例を参照して創作しています。
【視覚障がい学生への支援】
Aさん:
前列でないと板書が見えず、紙資料は文字が小さいと見えづらくて読むのに時間がかかってしまいます。
確認したところ、基本的には文字が11ポイント以上であれば読めることが分かりましたが、印刷が鮮明でないことやアルファベットの場合は同じ文字サイズでも読みづらさがあることも分かりました。
そのため、Aさんは、できるだけデータで提供してもらい、自身のタブレットで一番読みやすい大きさに拡大しながら学習したいというニーズを出されました。他にも、赤色のレーザーポインタだと見えず、どこを指しているのか分からないときがあるという困難があることも分かりました。
Aさんへの合理的配慮の例
- 座席位置の配慮
- 板書の撮影許可
- 教材をテキストデータ化して提供、電子データの提供が難しい場合は印刷を鮮明にし、本人が読めるサイズになるよう資料を拡大して提供
- レーザーポインタを使用する場合は緑色を指定
- 支援機器の持ち込み許可(タブレット、拡大読書器など)
【聴覚障がい学生への支援】
Bさん:
手話はほとんど使わず、高校までは、先生にFMマイクを使用してもらって勉強していました。よく話を聞いてみると、FMマイクだけで先生の声がすべて聴き取れていたわけではなく、教科書や板書、先生が準備してくれたプリントなどの視覚情報と、先生の口の動きを見て、聞き取れなかった内容を補いながら理解していたことが分かりました。
大学では教科書を使わないことやレジュメがほとんどない授業もあるので、FMマイクを先生に使ってもらうだけでは正確な情報取得が難しいことが予想されます。そのことを伝えるとBさんは、FMマイクに加え、ノートテイクを利用してみたいと希望されました。
Bさんへの合理的配慮の例
- 支援者の配置(ノートテイカー)
- 授業担当教員がFMマイクを装着
- 座席位置の配慮
- 視聴覚教材使用時のスクリプトの提供
【肢体不自由学生への支援】
Cさん:
下肢に麻痺があり普段車いすで生活していて、授業も車いすで受けたいと考えています。
上肢の筋力も弱いですが筆記に困難はありません。
でも、1~2年生の間は教養科目と専門科目のそれぞれの建物を行き来する頻度が高く、荷物の多い日はその移動が困難だと分かりました。他にも、電車通学の際に2度乗り換えが必要なため、車で通学したいというニーズをお持ちでした。
Cさんへの合理的配慮の例
- 座席の配慮(車いすでも使用しやすい、可動式で高さ調節のできる机を配置する等)
- 学内における教室間の移動支援
- 車での通学許可
【肢体不自由学生への支援】
Dさん:
下肢に麻痺があり普段車いすで生活していて、授業も車いすで受けたいと考えています。
上肢にも麻痺があり筆記に時間がかかるため、時間内に板書を写すこと、レポート課題や定期試験に不安を感じています。また、常時ケアを受けており、授業の教室にもヘルパーが同伴するというニーズを出されました。
Dさんへの合理的配慮の例
- 座席の配慮(車いすでも使用しやすい、可動式で高さ調節のできる机を配置する等)
- 代筆者の配置(本人の口述にもとづき板書や要点の書きとり、ページめくり等を行う)
- コメントペーパーやレポート課題のEメール等による提出許可
- 定期試験の時間延長
- 介助者の同伴許可
【発達障がい学生への支援】
Eさん:
発達障がいがあり、特に相手の話を聴きながら同時にそれをメモしていくことに困難があります。
講義のなかで細かい手順の説明があったので忘れないようにノートにメモしたかったのですが、書くことに集中して話があまり聞けておらず、あとからメモを見ても先生がどんな説明をしていたのか思い出せない、と困っています。
Eさんへの合理的配慮の例
- ICレコーダーの利用許可(講義内容の録音許可)
- 重要事項の繰り返しの伝達、個別伝達
【発達障がい学生への支援】
Fさん:
FさんはASD(自閉スペクトラム症)と診断されており、グループワークで周囲とのコミュニケーションがうまくできないことがあります。
また、座学の授業でも、周囲の学生の動きや音に注意が向いてしまって集中できず、先生の話が頭に入ってきません。特に授業コマが連続している曜日は、ぐったり疲れてしまいます。
Fさんへの合理的配慮の例
- コミュニケーション・サポーターの配置
- ノイズキャンセリング・ヘッドホンの貸し出し(一定期間お試しいただき、継続して使用したい場合はご自身で購入いただくことになります)
- 居場所や休憩場所の提供
【主な環境整備の例】
SOGIを理由とした困難への対応
【大学生活全般における環境整備】
- 学内で実施する定期健康診断の個別受診を可能にします。
- 大学が発行する証明書の性別記載など、就職活動や学外対応での困りごとについて、本人の性自認や性表現(服装)を尊重した個別の相談・支援を行います。
- 情報提供、教育・啓発・相談活動を通じて、一般学生を含む周囲の理解を促進し、疑問 や不安の解消に努めます。
- 学内設備の見直しをはかり、「だれでもトイレ(多目的トイレ)」の設置など、性別に よらず使用できる設備の充実を図ります。
【授業における環境整備】
- 不必要な性別欄は削除するなど、授業アンケートなどの項目選択肢を見直します。
- 「くん」「さん」など、男女別の呼称を見直します。He/Sheや/Ms.など、あえて男女を区別する必要がある場合は、本人の希望を尊重します。
- 実技や実習を伴う授業で、更衣室やシャワールーム、トレーニングルームが男女別になっ ている場合、または宿泊を伴う場合、学生本人のニーズを丁寧に確認し、関係部署と連携しながら、学生の希望を尊重できるよう適切に対応します。
- 学外実習については、受け入れ先で想定される男女別トイレや更衣室の利用、服装等に 関して、本人の同意を得て、関係者との事前調整を図るなど、円滑な実習が可能になるように最大限の配慮を行います。