研究内容

安田グループ

Research2x

 先端の電子デバイスの加工においては、原子や分子レベルで材料を構造制御することが重要となり、また、電子顕微鏡などを用いたデバイス観察や材料分析においてもこの高い精度での評価が求められています。そのような先端デバイスの加工や分析は、電子線や極端紫外線などの量子ビームを用いて実施されるため、量子ビーム照射下での材料の原子・分子挙動についての知見が必要となります。ナノスケールの加工や分析を支援するためのシミュレーション手法を独自に開発し、加工条件の最適化や分析結果の正しい解釈を目指した研究を展開しています。

 量子ビームと材料の相互作用を計算する確率論的なシミュレーションや材料を構成する原子・分子挙動を時間発展的に追跡して構造変化を計算する分子動力学法などのシミュレーション手法により、極端紫外線リソグラフィを用いたナノスケールのデバイス加工の最適条件、ナノインプリント法によるプレス成型過程、量子ビーム照射改質による材料の構造変化、加工されたナノ構造体の熱的特性や力学特性の解析を実施しています。

 また、マクロな材料物性とミクロな原子挙動の解析を組み合わせたマルチスケール解析、複雑に絡まった複数の物理現象を複合解析するマルチフィジックス解析、深層学習などのデータ科学手法を併用した解析なども駆使し、高精度なナノ加工プロセスや新奇なナノデバイスの開発に貢献することを目指しています。