研究室紹介
当研究室にコアタイムはありません。好きな時にきて、好きなだけ研究をして下さい。高橋は体が弱いため出張が好きではありません。平日はほぼ研究室にいますので、聞きたいことはいつでも聞くことができます。最近では、Zoomを使用して研究室議論を行うことも多いです。
清潔で解放感のある研究室運営を心掛けています。学生1人1人に十分なスペースを与えるようにしおり、全員がデュアルディスプレイです。
学生が研究室に顔を出す平均日数は15年前は300日/年くらい(大学近辺で1人暮らしの場合)でしたが、最近の平均日数は100~200日/年くらいです(少なっ)。サイエンスと真剣に向き合う心構えを身に着けてくれれば、バイト、サークル活動などは自由にしてくれて構いません。夏休みの取得、海外旅行、帰省などについても関与しません。学生には20%の時間を研究以外の自己研鑽(Toeic、ビジネス書、パソコン etc)に当てることを推奨しています。(遊べと言っているわけではありません。)
高橋は人を管理するのが好きではありません。ミーティングは滅多にやりません。学生には、自立心と責任感を持って研究に臨んでもらいます。ただし、最初の1~2年は学生が自分で判断することは難しいので、高橋が大まかな研究ストーリーをデザインします。
高橋はあまりゼミというものが好きではありません。勉強よりも研究が好きなタイプです。研究室には参考書がたくさんあるので、自分で勉強してください。(読みたい専門書があればこちらで購入しますので、言ってください。)分らないことは随時質問してください。ラーニングコモンズなどで、他研究室の学生と自主勉強することも強く勧めます。先生と勉強するより、学生同士で議論する方が有益なことが多いです。ただし、勉強ばかりして研究が疎かになっている場合には注意します。
高橋研の学生が行う学会発表は、3月と9月に行われる応用物理学会を基本に、多くても年3~4回(他には静電気学会、レーザー学会など)を目途にしています。海外で行われる国際会議は、年1回程度を期待しています。多すぎる学会発表は研究の足かせになるため認めていません(旅費はすべて研究費から出すように努力しています)。
一般的な学会スケジュールは下記のとおりです。
1月上旬:応用物理学会(春)などに投稿
1月下旬:CLEO(米国で行われるレーザー会議)に投稿
3月下旬:応用物理学会(春)などで発表
6月上旬:CLEOで発表
6月上旬:応用物理学会(秋)などに投稿
9月中旬:応用物理学会(秋)などで発表
論文は、何本でも書いてもらって構いません。最低でも、修士課程の間に1本書いてほしいと思います(修士だけで就職する人も)。当研究室OBの9割は書いています。早ければ、研究室加入後1年以内に1st著者として執筆が可能です。学生でも自力で論文が書けるような、環境作りをしています。
学会発表には、たいていの場合、飲み会が付いてきます。他大学の教授や企業の研究者と飲む機会もあります。関連分野の学生だけが50名以上集まる飲み会も応用物理学会ではあります。高橋はこれまで4つの大学を渡り歩き、幅広い分野の研究者と関わってきたので、日本中に広いネットワークを持っています。大学院生活では、たくさんの人と知り合えるはずです。それらは一生の財産になります。高橋は体が弱いので、普段はあまりお酒を飲みません。
学生には、博士後期課程まで行き、博士号を取得することを希望しています。早い段階で研究成果を出せば、リーディング大学院や学振特別研究員(DC1やDC2)に採用され、返還義務のない奨学金(つまり給料、20万/月)が受けられます。博士後期課程から企業への就職パスも昔よりだいぶ増えており、博士号取得者の需要はどんどん上昇しています。ただし、だれもが素晴らしい能力を博士課程に進んで獲得できるわけではありません。就職活動が始まるM1の後半には、博士進学について相談に応じます(自らの進路を明確化するためには、B4のうちから学会発表などを活発に行っていくことが大切です)。修士、博士に限らず、良い就職をできるかは、最終的には自己責任になります。高橋は、能力を伸ばすための最高の環境を与えるだけと考えてください。視野の狭い博士取得者を育てるつもりはないので、研究室では時事問題についてもよく雑談します。
とは言っても、最近は博士後期課程に進学する学生が減少傾向です。そこで、高橋研では修士課程までに、従来の博士課程並みの研究成果を出すこと(論文3本・海外発表2回)、研究スキルを身につけることを重視しています。さらに、博士後期課程からは、他大学に進学することも推奨しています。
就職した学生が社会人ドクターとして、博士号取得で研究室に戻ってくることを期待しています。博士号は出世(外資系ならとくに),転職の際に威力を発揮します。
高橋は、外部の共用施設を利用することが好きです。そのため、学生が1人で外部の共用施設を利用しに行くケースも多いです。また、企業の工場などを訪問して、新たな装置購入や共同研究打ち合わせをすることもあります。学生には、このような機会を、コミュニケーション能力向上、視野の広さ獲得に役立ててもらえればと思います。
研究テーマは、学生の希望と特性を見ながら決めます。B4から加入した内部学生の場合は、最初の数カ月は研究に慣れてもらいながら、研究テーマは7月~9月頃に決めます。M1から加入した学生、院試免除者、学会発表をすぐに行いたい場合などは、4月にテーマを決めることもできます。当研究室では主にプロセス、実験を行っています。学生の希望に合わせて新しいテーマを考えることもします。ただし、常に新しいことを行うので、最終的には自分で考え、答えを見出すことが求められます。これが研究の醍醐味であり、苦しさでもあります。このプロセスに馴染めない人は、残念ながら研究者には向いていませんが、少なくとも、1つのことに打ち込む能力、忍耐力、柔軟性などが鍛えられます。
B4から加入した場合の通常の1年の流れはざっとこんな感じです。
B4
春:先輩の実験などを手伝いながら研究の雰囲気を知る。
英語の論文を読む輪講を毎週行う。
初夏:テーマ決定
夏:院試勉強→院試合格
秋:研究を本格的に開始
1月上旬:応用物理学会に投稿
2月:卒論発表
3月下旬:応用物理学会で発表
M1以降
論文執筆に向けて研究を発展