研究室紹介

当研究室にコアタイムはありません。好きな時にきて、好きなだけ研究をして下さい。高橋は体が弱いため出張が好きではありません。平日はほぼ研究室にいますので、聞きたいことはいつでも聞くことができます。最近では、Zoomを使用して研究議論を行うことも多いです。研究室ミーティングは週1回のペースで行います。

清潔で解放感のある研究室運営を心掛けています。学生11人に十分なスペースとデスクトップパソコンを準備しており、全員がデュアルディスプレイです。

当研究室は実験をメインとする研究室ですから,平日はほぼ毎日研究室に顔を出さないと研究が進みません。1週間の研究室滞在時間の目安は35時間です。研究に真剣に取り組んでいればプライベートの活動には口を出さない方針です。

研究室にいる時間の20%を研究以外の自己研鑽(英会話、ビジネス書、プログラミング、専門資格 etcに当てることを推奨しています。(遊べと言っているわけではありません)

学生には自立心と責任感を持って、学会発表、国際会議投稿、論文投稿など、自ら目標を定めて研究に臨んでもらいます。高橋は学生に細かく指示を出したり,活動を管理するのが好きではありませんが,必要な学生にはそのように対応しています。

高橋は勉強よりも研究が好きなタイプです。研究室には参考書がたくさんあるので、自分で勉強してください(読みたい専門書があればこちらで購入しますので、言ってください)。分らないことは随時質問してください。ラーニングコモンズなどで、他研究室の学生と自主勉強することも強く勧めます。先生と勉強するより、学生同士で議論する方が有益なことが多いです。

高橋研の学生が行う学会発表は、3月と9月に行われる応用物理学会を基本に、多くても年3~4回(他には静電気学会、レーザー学会など)を目途にしています。海外で行われる国際会議は、年1回程度を期待しています。多すぎる学会発表は研究の足かせになるため認めていません(旅費はすべて研究費から出すように努力しています)。

一般的な学会スケジュールは下記のとおりです。

1月上旬:応用物理学会(春)などに投稿

1月下旬:CLEO(米国で行われるレーザー会議)に投稿

3月下旬:応用物理学会(春)などで発表

6月上旬:CLEOで発表

6月上旬:応用物理学会(秋)などに投稿

9月中旬:応用物理学会(秋)などで発表

学術論文は、修士課程の間に最低1本書いてほしいと思います(修士だけで就職する学生も)。当研究室OBの90%は1st著者で論文を出して、修士卒で就職しています(我々の分野の平均は20%以下と思います)。高橋は初めて論文を書く学生向けの特別なセミナー講師をアカデミックスキルコンサルタントとしても行っています。

学会発表には、たいていの場合、懇親会が付いてきます。他大学の教授や企業の研究者と懇談する機会も頻繁にあります。関連分野の学生だけが50名以上集まる飲み会も応用物理学会ではあります。高橋はこれまで4つの大学を渡り歩き、幅広い分野の研究者と関わってきたので、日本中に広いネットワークを持っています。大学院生活では、たくさんの人と知り合えるはずです。それらは一生の財産になります。

学生には、博士後期課程まで行き、博士号を取得することを希望しています。早い段階で研究成果を出せば、リーディング大学院や学振特別研究員(DC1DC2)に採用され、返還義務のない奨学金(つまり給料、20/月)が受けられます。飛び級制度を用いて短縮して博士を取ることも可能です。ただし、だれもが素晴らしい能力を博士課程に進んで獲得できるわけではありません。就職活動が始まるM1の後半には、博士進学について相談に応じます(自らの進路を明確化するためには、B4のうちから学会発表を行っていくことが大切です、高橋研OBのほとんどはB4で発表しています)。修士、博士に限らず、良い就職をできるかは、最終的には自己責任になります。高橋は、能力を伸ばすための最高の環境を与えるだけと考えてください。研究室では時事問題についてもよく雑談します。

とは言っても、最近は博士後期課程に進学する学生が減少傾向です。そこで、高橋研では修士課程までに、従来の博士課程並みの研究成果を出すこと(論文3本・海外発表2回)、研究スキルを身につけられないかと試行錯誤しています。博士後期課程から他大学に進学することも推奨しています。
就職した学生が社会人ドクターとして、博士号取得で研究室に戻ってくることを期待しています。博士号は出世(外資系ならとくに),転職の際に威力を発揮します。

高橋は世界一の性能を出すことにこだわっています。そのために最新の装置を利用することが必要になることが多々あり、外部の共用施設を利用することも多いです。学生が1人で外部の共用施設を利用しに行くケースも多いです。2023年は、企業での実験を2回、他大学での実験を2回、他機関での実験を2回行いました。また、企業の工場などを訪問して、新たな装置購入や共同研究打ち合わせをすることもあります。学生には、このような機会を、コミュニケーション能力向上、視野の広さ獲得に役立ててもらえればと思います。

研究テーマは、学生の希望と特性を見ながら決めます。B4から加入した内部学生の場合は、最初の数カ月は先輩の研究を手伝いながら機器の扱いに慣れてもらい、研究テーマは7月~9月頃に決めます。M1から加入した学生、院試免除者、学会発表をすぐに行いたい場合などは、4月にテーマを決めることもできます。当研究室では主にプロセス、実験を行っています。学生の希望に合わせて新しいテーマを考えることもします。ただし、常に新しいことを行うので、最終的には自分で考え、答えを見出すことが求められます。これが研究の醍醐味であり、苦しさでもあります。このプロセスに楽しさを見出せる学生は、当研究室が向いていると言えるでしょう。

B4から加入した場合の通常の1年の流れはざっとこんな感じです。

B4

春:先輩の実験などを手伝いながら研究の雰囲気を知る。

英語の論文を読む輪講を毎週行う。

初夏:テーマ決定

夏:院試勉強→院試合格

秋:研究を本格的に開始

1月上旬:応用物理学会に投稿

2月:卒論発表

3月下旬:応用物理学会で発表

M1以降

論文執筆に向けて研究を発展