小型ジェットエンジン(Micro Jet Engine)

本研究室では,ジェットエンジンの燃焼試験を実施するための小型ジェットエンジンを保有しています.保有している小型ジェットエンジンは,株式会社ソフィアプレシジョン社製のJ-850です.このジェットエンジンは,単段の遠心圧縮機,単段のラジアルタービン,アニュラ燃焼器で構成された単一スプール型です.燃料は,ベアリングハウジングの周上に設けられた内径0.2 mmの噴射口10口から噴霧状に噴射されます.供給された燃料は,燃焼器に取り付けられた小型のスパークプラグを用いて強制着火されます.J-850エンジンの仕様は表1に示す通りです.また,J-850エンジンの内部構造は図1に示す通りです.

表1 J-850エンジンの仕様

項目
圧縮機 単段の遠心圧縮機
タービン 単段のラジアルタービン
燃焼器 アニュラ型
最大推力 8.0 kgf (17.6 lbs)
最大回転数 130,000 rpm
最大空気流量 0.15 kg/s
圧力比 2.70
最大排気ガス温度 800 ℃
最大燃料流量 270 cc/min
点火方法 スパークプラグ

Micro-jet-engine_2

(a) ジェットエンジン

J-850半裁モデル

(b) エンジン内部構造

図1 J-850ジェットエンジン

本研究では,小型ジェットエンジンを用いた燃焼および排気特性の評価を行っています.図2に実験装置および計測システムの概要を示します.エンジン内部温度は,K種およびR種の熱電対を用いて計測しており,圧縮機入口・出口,タービン入口・出口,および排気ガス温度を取得しています.特に,タービン部では内部流れが旋回流となるため温度分布のばらつきが大きく,タービン入口温度(TIT)は4点,タービン出口温度(TET)は3点において多点計測を行っています.推力は,エンジン下部に設置したロードセル(TC-SR100N, TEAC社製)を用いて計測しています.その他,エンジン回転数,燃料流量,エンジン内部圧力(圧縮機入口・出口,タービン入口)などを同時に計測し,エンジンの運転状態を総合的に評価しています.各種センサから得られた回転数,推力,圧力,燃料流量などのデータは,データ収録装置を開始てPCに記録しています.

排気ガス成分の測定には,自動車用排ガス測定装置(MEXA-584L, HORIBA社製)を使用しています.エンジンノズルから排出される排気ガスは,十分なサンプリング量を確保するために,3本の1/4インチステンレス管を用いて採取し,排ガス測定装置を用いて分析しています.本測定装置では,排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO),二酸化炭素(CO2),炭化水素(HC),一酸化窒素(NO)の4成分を対象に分析を行っています.

J-850試験設備

図2 実験装置及び計測システム